J-GAP USA 活動報告


2016.5.17.
J-GAP USA事業統括報告書(執筆編集:Sufumi So)のサプリメントとして「これからアーティキュレーションに関わる先生方へ」をまとめました。(担当:Tomoko Marshall, Tomomi Sato, Mieko Kawai)


2015.4.7. 2011年から4年間にわたり、この場を使ってJ-GAP USA事業の活動状況を掲載してきましたが、Sufumi Soによる掲載は今回が最後になります。今後は、J-GAP活動を独自に進めていく4つの教師会 (AFTJ, DVTJ, MAATJ, SEATJ) 各会の代表者がそれぞれの活動を掲載していきます。今回は、2014−15年度活動1 (最終報告書)、2 (他州でのJ-GAPワークショップ)、3 (Virginia/Maryland地域で続行中の教師発信型アーティキュレーションプロジェクト)、4 (教師会、学会での発表)のすべての項目にアップデート情報があります。



2014.12.13. ACTFLで行ったFocus Group Interview (FGI)に関する情報を「2014-15年度活動 1. 最終報告書」のセクションに加えました。

2014.10.23. FFLAとFLAVAでの発表に関する情報を「2014-15年度活動 4. それぞれの活動から得られた知見を、代表者が適当な教師会、学会で発表」のセクションに加えました。

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ここにある報告書の文責は、J-GAP USA team のまとめ役をしている Sufumi So にあります。ご質問、ご意見のおありの方は、So に直接お問い合わせください。

J-GAP USA team members
Sufumi So, George Mason University (sso2@gmu.edu)
Mieko Kawai, University of Virginia
Tomoko Marshall, University of Virginia
Tomomi Sato, University of Virginia
Koji Otani, Thomas Jefferson High School for Science and Technology

【活動指針】
  • 徹底した対話アプローチ
  • 現場の教師の意見、イニシアチブを重視するボトムアップアプローチ (現場主義)
  • 日本語プログラム内、日本語プログラム間での縦と横の連携推進
  • 日本語教育界と産官民との連携推進
  • JFスタンダード・みんなのCan-doサイト活用

【全体活動計画】
ステップ1: 教師同士のつながり作り (2011-12)
ステップ2: 連携推進の具体化(活動準備→実施→公表→反省→再実施) (2012-13)
ステップ3: 持続可能なアーティキュレーション(連携)構築プロセスの分析、考察 (2013-14)

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2014-15年度には、上記の活動計画に従って3年間バージニア州・メリーランド州地域で行ってきたJ-GAPの活動から得られた知見を他州の日本語教育者に紹介し、プログラムアーティキュレーションの意義とノウハウを、それぞれの地域の現状に即して考え、適切かつ現実的なアーティキュレーション活動に結び付ける事業が展開されます。(4年目事業としてJ-GAP USA teamが提示した本案は、2014年1月上旬にJ-GAP統括責任者の當作先生、J-GAP USA事業の窓口になっているThe American Association of Teachers of Japaneseの賛同を得ることができました。)
    • 2014年4月からは上記事業の準備を、綿密な計画のもと徐々に進めています。(4/2, 4/15, 5/8, 5/15, 5/20, 6/7, 6/14 に各1時間ほどのスカイプミーティング実施)

    • 2014年4月19日が締め切り日だったFLAVA (Foreign Language Association of Virginia) 年次会での発表のプロポーザルをJ-GAPとして2本提出し、受け入れられました。

    • J-GAP USA team 代表のSoが学官民連携活動を行いました。 (4月27日に下村博文文部科学大臣と、5月16日に在アメリカ合衆国日本国大使館関係者と会見)


2014-15年度は、これまで3年間(2011/4 – 2014/3)各年度の活動計画に従って行ってきた事業の集大成を行い、具体的な結果を出す年とし、以下を目標として活動を本格的に開始しました。
  • JFスタンダード、みんなのCan-doサイトを根幹に据えた、アーティキュレーション確立のための、透明性、具体性の高い枠組み構築の過程を英語、及び、日本語で文書にまとめて、2015年3月末までに何らかの形で出版
  • バージニア州・メリーランド州地域で行ってきたJ-GAPの活動(うち3件の教師発信型プロジェクトは今年度も続行)から得られた知見を、他州の日本語教育者に紹介し、JFスタンダード、みんなのCan-doサイトを活用したプログラムアーティキュレーションの意義とノウハウを、それぞれの地域の現状に即して考え、適切かつ現実的なアーティキュレーション活動に結び付ける事業の実施

以下1、2、3、4の活動を同時に進めていくことで上記2点の目標の遂行を目指し、これまでの活動の集大成を行う予定です。
  1. 日英両語での報告書、協働執筆
  2. 他州の日本語教育者を対象に、JFスタンダード、みんなのCan-doサイトを活用したプログラムアーティキュレーションに関するワークショップを実施
  3. バージニア州・メリーランド州地域で、教師発信型プロジェクトを3件続行
  4. それぞれの活動から得られた知見を、代表者が適当な教師会、学会で発表

以下に主な活動の報告を掲載していきます。



Updated April 7, 2015

2014-15年度活動 1. 最終報告書


この報告書では、米国バージニア州・メリーランド州を中心に2011年から4年間に渡って探索的にではありますが、計画的に行ってきた、J-GAP アーティキュレーション事業を、反省的実践家 (reflective practitioner; Schön 1983, 1987)の立場から、その概要、及び、歴史的、理論的背景、また、その中核を成す教師発信型アーティキュレーションプロジェクトの運営に関するノウハウ、そして、プロジェクトのインパクトや広がりを紹介し、更に、米国での日本語教育が今必要とするアーティキュレーションの在り方を問い直します。

部外者、一般読者にも読み易く、分かり易い日本語で書かれた報告書を目指しています。2015年夏の終わりまでに完成予定 (変更点)です。この報告書執筆過程は、J-GAP USA teamメンバーが各自、また、チームとしてこれまで行ってきた活動を吟味、内省し、体系的にまとめ、今後の進展を視野に入れて考察する機会であり、持続可能な日本語プログラムアーティキュレーション事業を起こし、続けていくためのマニュアルの役目も果たし得るものにしたいと思っています。

我々の分析、考察に役立つ資料の一つが現場の日本語教師の生の声です。そのために、このページでも逐一報告してきましたが、Focus Group Interview (FGI) を2013年1月19日 (@Fairfax, VA)、3月22日 (@AAS/AATJ Conference)、11月22日 (@ACTFL Convention) に行ってきました。2014年11月22日 にはACTFL Conventionの会場で高校の先生方6名を対象にFGIを行いました。この6名の先生方はそれぞれ、アーティキュレーション活動を「clear expectations」「collaboration」「向上」「教師の人間性」「繋がり作り」「絶えず繋がっていく努力」と特徴付け、下記のような示唆に富む談話がありました (順不同)。

  • 私のところは縦横 ( のアーティキュレーション) ともにまだまだ伸びる余地があります。暫く前まではこうじゃなかったんです。[...] 最近は、どんどん新しいことを受け入れていこうとするいい方向に向かい出し、今に至っています。[...] とてもポジティブな雰囲気になってきています。
  • 繋がっていくことによって先生方も仕事が楽になるのではないかと思います。
  • みんなが足並み揃えて、はい1、2、3、4!といったものではないことも理解しておかないといけない
  • 小規模でもできるところからやっていかないと

11月のACTFL Convention後も、その前よりもより頻繁にミーティングを行いました。対面のミーティングを12月13−14日、2月1日、3月1日、3月26日に、スカイプミーティングを1月10日、1月22日、2月11日、3月22日に行い、関係者の間で協議を進めました。




Updated April 7, 2015

2014-15年度活動 2. 他州の日本語教育者を対象に、JFスタンダード、みんなのCan-doサイトを活用したプログラムアーティキュレーションに関するワークショップを実施

【Association of Florida Teachers of Japanese - AFTJ】

以下4つのポイントを意識しながら、フロリダで下記①②③④の教師発信型アーティキュレーション活動が開始しました! [2014.9.15 更新]

・プロジェクトの目的 (プロジェクト発足の背景, 期待効果, 行っていく上での方針など)
・プロジェクトの範囲
・プロジェクトメンバー (Avello, Kubota, Motohashi, Nozu, Shimoura, Uotate, Williams) と各メンバーの役割
・全体、及び、直近の詳細なスケジュール

① 文化理解のための教室活動としての同一の学習プロジェクトを高校生、大学生にさせ、それを通じて高大間のカリキュラムアーティキュレーションを図っていくプロジェクト
② 日本語クラスの達成目標設定をCan-do statementsで表し、プログラム内、プログラム間のアーティキュレーションを図っていくプロジェクト
③ "なんでも相談室・勉強会" にティーチングの課題を持ち寄り、その話し合いの中からカリキュラムアーティキュレーションを追求していくプロジェクト
④ プレースメントテスト実施の実態把握から始めるアーティキュレーションプロジェクト

カリキュラムの透明性を高めることを最終目的にし、プロジェクトを行っていく過程で教師間の対話を積極的に起こしていくならば、カリキュラムアーティキュレーションという視点からはどれも有意義な可能性を秘めたプロジェクトであると認識しています。
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2014年8月8-9日にフロリダ(オーランド市)でJ-GAPワークショップ開催!


The Association of Florida Teachers of Japanese (AFTJ) が毎年夏に行っているアーティキュレーションデーでJ-GAPワークショップを行いました。参加者は7名と少人数でしたが、AFTJの主要メンバーの方々ばかりで、まさに「JFスタンダード、みんなのCan-doサイトを活用したプログラムアーティキュレーションの意義とノウハウを、それぞれの地域の現状に即して考え、適切かつ現実的なアーティキュレーション活動に結び付ける事業の実施」につながるワークショップになりました。また参加者の方々からのフィードバックも「参加者全員が新学期を目前にまた士気を高めることができました」など、非常にポジティブでした。この後のフォローアップは、スカイプ等を使って遠隔で行っていきます。ワークショップの詳細は以下の通りです。

ワークショップ終了時に達成すべき目標は、バージニアでの具体的な例を基に、フロリダでどうアーティキュレーション活動を進めていけるか、現実的取り組みについて話し合い、具体的な事業計画を立てることでした。

プログラム:
8/8 (金)
4:00 - 4:45 歓談
4:45 - 5:15 自己紹介を兼ねて、以下のことを、まず紙に書き、話してもらいました。
  • ティーチング以外で好きなこと
  • 自分の環境の中でアーティキュレーションがどこまでできていると思うか、自己判断で1から10の数値で表示★
  • 日頃ティーチングで大切にしていること
  • 日本語教師としての自分の強み1つ、課題1つ
AFTJ self-intro.jpg[自己紹介の様子]
ここで最も興味深かったのは、自己判断によるアーティキュレーション達成度の数値化で、これは後のアーティキュレーションのディスカッションへの橋渡し役として効果的でした。

5:15 - 6:30 以下について話し合いました。
  • アーティキュレーションとは何か
  • J-GAPのいきさつと内容、J-GAP USA活動
  • JFスタンダード、Can-do statements

6:30 - 6:40 バージニアで教師発信型アーティキュレーションプロジェクトに参加した、大学教員1名、高校教師1名がスカイプで参加。それぞれの経験に基づいて、フロリダでアーティキュレーション活動を計画しているフロリダの先生方に是非聞いてもらいたいこと、アドバイス、問題点や課題を話してもらいました。

6:40 - 8:00 フロリダでのアーティキュレーション活動計画。まずは短時間でポスト・イットにアイデアをどんどん書き出してもらい、その後実現の難易度、効果の大小などで分類 (下写真参照)、その後、参加者がポストイットを見ながら気になるものに質問やコメントをし議論を進めた後、計画書のテンプレートを渡し、具体的活動計画を始めてもらいました。

AFTJ Brainstorming 08-08-14.jpg

プロジェクトの計画を立てる際に留意する点として、以下を伝えました。
・プロジェクトの目的 (プロジェクト発足の背景, 期待効果, 行っていく上での基本方針など)
・プロジェクトの範囲 (プロジェクトと関連はあるが、範囲外であることの認識も大事)
・プロジェクトメンバーとその役割 (メンバーと役割の関係を表や図にするのも有効)
・全体のスケジュールと直近の詳細なスケジ ュール

8/9 (土)
9:00 - 10:30 具体的な計画案、今後の展望について話し合いました。
この時点で、5つの教師発信型アーティキュレーションプロジェクト案が生まれました。活動を通しての教師間の対話がアーティキュレーションにつながること、また、Can-do statementsの活用により、カリキュラムや教科書が異なってもachievement goalsが立てやすくなるので教師間の対話が可能になるという話もしました。

AFTJ discussion.jpg AFTJ discussion 2.jpg AFJT discussion 3.jpg
[活発な話し合いの様子]


【Southeastern Association of Teachers of Japanese - SEATJ】


The Southeastern Association of Teachers of Japanese (SEATJ) が毎年冬に行っている annual conference が2015年3月7−8日にThe University of North Carolina at Chapel Hill で行われ、keynote speech with workshopという形で2時間のセッションを「実現・持続可能なアーティキュレーション活動 (J-GAP): カリキュラムの見える化から質的向上、そして、教師のエンパワメント (Curricular transparency and teacher empowerment manifested through the J-GAP activities)」というタイトルで行うことができました。


当日ワークショップに参加なさった先生方は40名で、上記フロリダでのワークショップ参加者7名の6倍弱、また時間もフロリダで行ったワークショップの5時間の半分以下と、かなり異なる状況でしたが、J-GAPの概要説明のみに終わることなく、参加者の方々に教師発信型アーティキュレーションプロジェクトについてブレーンストーミングしてもらうことができました。SEATJでは、このワークショップの経験を基盤に今後「持続可能」をキーワードにしたJ-GAP活動が展開していきます。

SEATJ 03-07-15.jpg


追記: このワークショップを通して、我々が試行錯誤を繰り返しながら作ってきたワークショップの形式は、人数や時間の多少に大きく影響されることなく、それなりの効果をもたらし得ると確信しました。


【Delaware Valley Teachers of Japanese - DVTJ】


The Delaware Valley Teachers of Japanese (DVTJ)の協力を得、2015年3月14日にUrsinus College (Collegeville, PA)で春の特別ワークショップ「身近な活動から始めるカリキュラムアーティキュレーション (Teacher-initiated projects as a starting point)」というタイトルで、6時間半のJ-GAPワークショップを前回のワークショップと同様の形式で行いました。参加者は時間帯で異なりましたが、10〜15名でした。
DVTJ_JGAP_March2015.jpg 写真はこちらにもあります。クリックしてください。


教師発信型アーティキュレーションプロジェクトというコンセプトとDVTJ会員の先生方が置かれている職場でのニーズがマッチするということで、この地域でもJ-GAP活動が展開することになり、ワークショップ終了時間が過ぎてもそれぞれの活動の計画についてを熱心な語らいが続いていました。



Updated April 7, 2015

2014-15年度活動 3. バージニア州・メリーランド州地域で、教師発信型プロジェクト続行

2015年4月からはバージニア州、メリーランド州を拠点とする教師会 Mid-Atlantic Association of Teachers of Japanese (MAATJ)を主軸とした活動として、J-GAP活動が展開されていきます。

活動1.「シャーロッツビル勉強会」


活動目的:
  • シャーロッツビル内での縦と横のカリキュラム・アーティキュレーション、具体的には教室内外活動の課題解決、身近な話題からカリキュラムにおける目標の確認・修正
  • 学生に関する情報交換(小さいエリアのため、学生個人の進路先でのフォローアップが可能)

参加者:
現在活動中:マーシャルともこ(UVa)、ダナヒュー乃里子(PVCC)、シアマン浩子(Albermarle High)、河合見恵子(UVa)
不定期参加者:[佐藤友美(UVa)、樋上昌子(Mary Boldwin College)、エリック・マセイコ(UVa)]

活動場所と時期
毎月(年に9−10回、夏休みや冬休みなど休止時期もあり)地元パネラにて集合、毎回1時間半程度

活動形態
  • 持ち回り制(月替り)の担当者が、議題と日時決定、メール連絡業務を行う
  • 担当となった翌月には記録係として議事録の作成、メールで全員に確認、訂正加筆、コラボにアップロードという役割をこなす
  • 担当となった教師が自分の関心のあるトピック、特に授業活動で改善を必要と感じている点などを他のメンバーに相談する形で運営されている
  • 集まった参加者がその場で翌月に自分が都合のいい日時で集合日を決定するため、毎月の曜日や日時が決まっていないにもかかわらず参加率が非常に高い
  • 話題によっては二月以上かけて話し合いが続く場合もあり、シャドーイングのプロジェクトなど、発表できる内容に発展した事例もあった
  • 最近の話題例:学期末の口頭試験の方法、作文の指導法、ファイナル・プロジェクトの課題
  • 2012年の6月には一日研究会を実施し、事前にペアワーク(高校+大学)で目標達成のための授業計画を立て、当日それを発表、コメントしあうという試みを行った
  • 過去に不定期ではあるが、高校の生徒が大学の授業見学、大学教師が高校の授業見学、大学の学生を高校でアシスタント(ボランティア)として派遣、などもあり

実績、成果
  • 忌憚ない意見を言い合うことのできる人間関係の構築
  • 身近な話題での悩み相談から授業活動やカリキュラム全体の目標の見直しに発展(例:作文の評価>作文の目的>課題変更>書く作業の目的意識>前後の課での書く作業との関連づけ>カリキュラム全体から見た書く作業の導入順序見直し)
  • 学生から提出された宿題やテストなど成果物を伴った、具体的な相談内容に変化
  • 未経験のレベルにも関心を持ち、教え方のディスカッションに参加可能(例:高校教師やCCの教師が大学3年生の読み物について意見を述べる、大学教師が高校での学生の評価について考える、など)
  • 個々人の学生に関してのプレースメントや学習スタイルなどの情報交換から、授業の見直しへ(例:漢字導入方法、オンラインツールの活用など)
  • 低予算、心理的に負担の少ない、自発的、持続的な活動の実現=ラーニング・コミュニティの形成

(文責:河合)



活動2.「縦のアーティキュレーション活動」


活動に参加するメンバー:佐藤友美 北村愛子 日野真由美 ヴォーン京子

活動時期(頻度):月に最低1~2回(不定期)

活動の形態:スカイプ

活動の目的と理由:Can-doを利用した、クラス内活動とカリキュラムの改善と向上

これまでの経過:
昨年度、このグループで「Adventures in Japanese Level 3」六課のCan-doを立てた。2014 FLAVAでの発表後12月より活動を再開

2015年度の活動:
1.各教師がユニットのスピーキングのCan-doを立てて、そのCan-doに対するディスカッションを行う
目的:Can-doは具体的でクラスやカリキュラムの話がしやすいという特性を活かし、各自が立てたCan-doに関して、他の教師とディスカッションし、自分の指導やカリキュラムを改善していくこと

2.学生にそのCan-doへの達成度の自己評価と他者評価をさせ、その学生の評価と教師の評価を比較分析する
目的:各課のゴール達成度を高めるために、教師と学生がゴールを共有し、学生にも各課の到達ゴールを意識させる。更には学生の自己評価と他者評価を教師の評価とを比較することにより、求めるレベルをすり合わせていくこと

現在の進行状態:
2015年度活動方針が決まり、高校の教師が「Adventures in Japanese Level 1」の教科書を利用してレベル1(二学期)のCan-doを作成し、大学の教師からのフィードバックを活かして、Can-doを完成させる作業を行っている。昨年度のCan-do作成と比べると、初級レベルということもあり作業はスムーズに進んでいる



活動3.「Norfolk-Virginia Beach Project — ライティングルーブリックを利用しての勉強会」


連絡担当者:マーケン美乃里

活動参加者:日野真由美(毎回)、その他のODU・バージニアビーチの先生方は今のところ出入りありで固定していません。

活動の目的と理由:
ルーブリックの言葉の上には現れない授業における価値観や目標設定の違いを話し合いを通して認識、理解し、さらに内省することにそれぞれの教員がより効果的な教授法を探っていくきっかけ作りを目指している

活動場所と時期:
2013年のミーティングはほとんどが夏場にスカイプで行われた
2014年の話し合いはVirginia BeachのGreen Run高校で2月に行われた(年一回)
2015年もGreen Run高校で2月に行われる予定。夏の勉強会の場所は未定(年二回)

活動形態:スカイプまたは顔を合わせた話し合い

具体的な内容:
  • 始まりはODUのマーケンとVirginia Beachの日野二人のプロジェクトであったが、徐々に周りを巻き込む形で進みつつある。今のところ二人以外の固定メンバーははっきりしないが、ODUとVBCPS内で興味がある人が活動に加わりやすい雰囲気作りを心がけている
  • 2013年に大学教員(マーケン)と高校教員(日野)がそれぞれの現場に合ったライティング評価のためのルーブリックを協働作業で作成した。それを使ってお互いのクラスのサンプルライティングを交換して評価を出し、違いを話し合った
  • 2014年、更にこの話し合いを横のアーティキュレーションにも広げ、同じ市内の中学高校教員にも加わってもらい、評価の違いの理由を話し合いながら、各自が授業やテストで重視している点やそこに到達するための授業活動を共有した
  • 2015年、昨年問題点として挙げられた部分を改良したルーブリックを用いて、大学からの新たなサンプルを中学、高校、さらに大学の複数の教員を交えて2月に話し合う予定
  • 更に今年は夏にも他のテーマで勉強会をする予定。その際にはNorfolk/Virginia Beach 外からも一名スカイプで参加してもらうことを計画中

意識している点:
  • 自分の教育に関する価値観を他の教員と本音で話しやすい雰囲気を作っていくために、まずは外部(大学)のサンプルを使って話し合いをした
  • 次の段階としては参加者ひとりひとりが積極的に問題やテーマをもちより、自ら対話を深めていくことで、自分に新たな課題を与えていく必要があると思われる。普段話をよくするメンバーからとは違う刺激をもらうために外部からの参加者も検討中
  • 教育委員会にもアピールして、なるべく参加しやすい状況設定をする



活動4.「Maryland Vertical Articulation Group (Shiga / Hoogenboom)」


連絡担当者:Shiga

活動参加者:Ayako Shiga, Tomoko Hoogenboom

活動の目的と理由:メリーランド州内の高校(ブーンズボロ)と大学(UMBC)の縦のArticulationを構築する。高校での日本語学習者が大学でも日本語を継続して学習していけるようなアドボカシー、プロモーションと環境づくりを目指す。

活動場所と時期、頻度: 月一回、もしくは隔月に一回(Skype)、半年に一回はFace to Face

活動形態:Skype / face to face

活動内容:
  • ブーンズボロ高校の学生によるUMBC訪問、授業参加
  • ブーンズボロとUMBCでのカリキュラム継続性の構築(特にブーンズボロのLevel2からUMBCへ入学した場合のPlacement、流れをスムーズにする)



メリーランド州でのその他の活動


"We in Montgomery County will continue developing our countywide first-level final exam in Japanese language. We meet once a week on Thursdays. As for Whitman High School in the county, this year we invited Professor Hamano from George Washington University to give a college-level lesson for upper-level students. During the month of February 2015 our plan is to visit George Washington University to have our students participate in a level-2 class." (Yuki Moorman)



Updated April 7, 2015

2014-15年度活動 4. それぞれの活動から得られた知見を、代表者が適当な教師会、学会で発表


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 2014 FFLA <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<


2014年8月にフロリダ州オーランド市でAssociation of Florida Teacher of Japanese (AFTJ) のメンバーを対象に行われた日本語教育グローバル・アーティキュレーション・プロジェクト (J-GAP) のワークショップが行われました。そこから始まった四つのアーティキュレーション活動のうち、二つのプロジェクトに関する発表が、2014年10月17日(金)、18日(土)にフロリダ州マイアミ市で行われたFlorida Foreign Language Association (FFLA) 第45回年次会でありました。各発表の概要が下にありますので、ご参照ください。

AFTJ_FFLA2014.png

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Florida International University とMiami Palmetto Senior High Schoolのプロジェクト

発表者: Masako Kubota (Florida International University, FIU), Mieko Avello (Miami Palmetto Senior High School)

出席者数:8名

発表内容 (文責: Avello; 下線はSoによる)
発表者の両校で行った、学習プロジェクトについて発表しました。学習プロジェクト実施までの経緯、目的 (日本の食文化の理解と発表能力の向上)、実施内容、学生達のコメントなどについて報告しました (詳細は、PowerPoint に記述)。FIU、パルメット高校共、学生の感想は好意的で両校ともに短い期間の学習プロジェクトとしては、学生の士気向上に効果的でした。

カリキュラムアーティキュレーションは、プロジェクト後に教師間でお互いの実施内容を報告しながら、話し合う予定です。今回の分科会の参加者8人中半数はJ-GAPについての知識はありませんでした。発表に関するコメントとしては、大学と高校での同時進行プロジェクトは画期的、大変楽しそうなプロジェクトに思える、Can-Doについてもっと知りたいなどがありました。このセッションでは各参加者がJ-GAPの試みに非常に高い関心を持っているのが伺えました。FIUでは、大学間での横の繋がり作りに活用するという企画案も出ています。


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プレースメントテスト実施の実態把握から始めるアーティキュレーション (AFTJ J-GAP)

発表者: Yasuo Uotate (University of Florida)

出席者数:6名

発表内容 (文責: Uotate; 下線はSoによる)
発表の題にもなっているアーティキュレーション活動のため、プレースメントテスト実施などに関するアンケートを作成し、AFTJメンバーにそのアンケートの回答を依頼しました。

本発表ではそのアンケートの回答を (1) 高校レベルと (2) 大学レベルにまとめたもの、そして (3) University of Floridaでのプレースメントテストを紹介しました。プレースメントテストとアーティキュレーションについての説明、アンケート調査の結果紹介、そして、出席者間で意見交換も行いました。アンケートの結果などは発表パワーポイントをPDF化したものがありますので、そちらをご覧ください。

出席者は6名と多くはなかったものの、プレースメントテストについて活発な意見交換もでき、お互いに学び合える場が提供できたのではないかと思います。実は、以前AFTJ内で「他の高校ではどのような教材が使われているかも分からない」という声もありました。AFTJは現在教師メンバーが25名であることを考えると、11校分(高校6校、大学5校)のプレースメントテスト実施などに関するデータを集められたことはフロリダ州内で縦、横のアーティキュレーションを進めていく上での助けになると思われます。今後更にどのようにすれば、フロリダ州内の教師間の連携を強め、よりよいプレースメントテストの実施やカリキュラム向上に向けて対話を進められるか考えて行きたいと思っています。


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 2014 FLAVA <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

FLAVA2014_JGAP.png

2014年9月26日(金)、27日(土)にバージニア州ウィリアムズバーグ市で行われた、Foreign Language Association of Virginia (FLAVA) 年次会でJ-GAP関係の発表が3点ありました。各発表の概要は下にありますので、ご参照ください。


[左上写真] Friday, September 26, 3:00 – 3:45 プレゼンテーション
Tomomi Sato (University of Virginia), Aiko Kitamura (College of William and Mary), Mayumi Hino (Ocean Lakes High School), Kyoko Vaughan (Hayfield Secondary School): A bottom-up vertical articulation project for the betterment of curriculum and professional development using minna no can-do site

[右上写真] Saturday, September 27, 11:00 – 11:45 プレゼンテーション Yasu-Hiko Tohsaku (University of California at San Diego): Japanese articulation and beyond
[下写真2枚] Saturday, September 27, 2:00 – 3:30 ワークショッ
Tomoko Marshall, Mieko Kawai (University of Virginia): Re-evaluating oral performance assessment: Is my ‘good’ the same as yours?




Session 102: A bottom-up vertical articulation project for the betterment of curriculum and professional development using minna no can-do site. Tomomi Sato (University of Virginia), Aiko Kitamura (College of William and Mary), Mayumi Hino (Ocean Lakes High School), and Kyoko Vaughan (Hayfield Secondary School)

出席者数: 約15名

発表内容 (文責: Sato; 下線はSoによる)
この発表では、高校、大学の教師4名が、縦のアーティキュレションプロジェクトとして、約半年間かけて取り組んできた、(1) 口頭能力評価のためのルーブリック作成、(2) それを使っての学習者のサンプルの評価、(3) みんなのCan-doサイトからMy Can-doを使ってAdventures in Japanese, Vol.3, Lesson 6のゴールの作成について、その報告と(1)−(3)それぞれの活動における内省、アーティキュレーション活動全体として感じたことをお話ししました。

ルーブリックは「できる会話」とは何かの要因を擦り合せ、共通したものを一つ作成しました。それを使って評価をした際の気づきとして自分の評価や指導を客観視できた他、会話のトピックの維持・発展、表現やあいづちのバリエーション、ポーズの重要性、自然さなど、実際のクラスにおける指導に対する反省があげられました。また、教科書のある一課のゴールとして4教師共通のCan-do項目作成をした際には高校−大学間の教育観、価値観などが浮き彫りになり、更なる深い対話を余儀なくされました。みんなのCan-doサイト推奨のMy Can-do項目を作成すること、つまり、教科書の一つの課の具体的なゴールを立てることは、シラバスやコース全体をトピックとしたディスカッションとは異なり、具体的な教室活動やそれぞれの教師が向かうゴールを具体的にどのように捉えているか、などの話し合いの必要性と擦り合せを生じさせる結果となりました。このプロジェクトでは、現場において何(what)をどう(how)教えるかという知識や情報の交換ではなくどうして(why)それをそう考えるのか、教えるのかという他者とそして自己の教育観や価値観にふれることができました。こういった自己と他者との対話はアーティキュレーションの醍醐味であり、自己成長とカリキュラムの向上、そしてゆくゆくは日本語教育の向上につながるのではないかと信じています。

発表後出た質問の一つが、価値観が違った先生と、あるいは価値観が違った場合のその擦り合わせが、感情が入ってしまいなかなかうまくいかないがどのように行ってきたのかというものでした。それに対し、価値観は正誤のあるものでも優劣のあるものでもなく、お互いに聞き合うことは個人的な批判や非難ではなく、お互いを、そして自己を知るための手段であり、それぞれが価値観を持ち寄りいいと思うところを取り合えば、さらにいいものができるだろうということをプロジェクトに関わった4人のメンバー全員が認識し、さらに相手もそう考えているだろうと言う信頼関係ができてきていたことを答えとしてあげました。

セッションへの参加者は約15名と小規模のセッションでしたが、当日、学会会場にいらっしゃった日本語の先生方のほとんどがこの発表に来てくださいました。
FLAVA2014_102.png


Session 201: Re-evaluating oral performance assessment: Is my 'good' the same as yours? Tomoko Marshall & Mieko Kawai (University of Virginia)

出席者数: 約25名

発表内容 (文責: Marshall & Kawai; 下線はSoによる)
2012-13年度にJ-GAP教師発信型プロジェクトの一つとして行われた4大学間における「上手な会話とは」の結果と考察に基づき、今回のFLAVAでは (1) 教師間の評価観の検証、及び、(2) 授業内での会話の指導方法再考を目的としてワークショップを行いました。バージニア、D.C.、メリーランドからK-16の幅広い層の日本語教師が参加され、非常に活気のあるワークショップとなりました。

初めに、教師の評価観の共通点と差異を探るため、録音された学生同士の実際の会話例を用いて評価を試みるというタスクに参加者全員で取り組みました。ここでは先のプロジェクトの産物である「Can-Do Statement」の形で記述された会話評価表のうち、特に曖昧にされがちなコミュニケーションの4項目に焦点を絞り、各自その場で採点、その後グループで「なぜ」4点ではなく3点をつけたのかなど自己の採点基準を説明し合うという手順をとりました。これにより、今まで気付かなかった自分の評価観、他教師との相違点や類似点について考えさせられたという参加者が多く見受けられました。また、評価基準を言語化し、事前に学生や同僚と共有しておくことが重要という点においては、多くの先生方からの賛同を得ました。

ワークショップ後半では、学習者のどういった発言によりコミュニケーションが「上手」と判断するのかをテーマとし、項目別での解釈、教室内での導入方法の提案、意見交換、デモンストレーション、グループ練習、などを行いました。

ワークショップ終了前の「このワークショップで明日からの授業に使えそうな指導法を何か学べたか」という問い掛けに、参加者の先生方からは (1) あいづち、繰り返し、言い換えなどを適切なタイミングで用い、コミュニケーションを円滑にさせる練習、(2) 教師が見本を見せながら同じトピックで意味のある会話を続けさせる練習、などが挙げられました。

今回は、学習者のコミュニケーションを目標とする口頭能力を伸ばすためには、「質問に答える」口頭練習に終わらせず、教師自身が「意味のある会話」を心がけ、学生と共に会話を発展させることが重要であることを前提に、参加者の先生方に実体験していただきましたが、この経験が今後少しでもカリキュラム向上を目的とする教師間の対話につながればと思います。
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Communication が「できる」とはどういうことか。曖昧で、評価者によって差が出てしまうということを、今まであまりにも当然のこととし過ぎていたのかもしれません。それを意識化、言語化して、具体例と共に示してくださったことで、私自身の姿勢を反省し、今後のあるべき姿勢を考え直しています。明日からでもできる小さな指導の変革(指導者がペアワークの内容やコミュニケーションを意識して膨らませていく技量など)が、當作先生のセッションで繰り返された「繋がって行く力」の育成という大きな使命に強く結びついて行く、これは、教師が抱く志に波紋を起こして行くと思います。明日からの私自身にちょっと期待しています。Feedback from Ms. H. L. (high school teacher of Japanese)


Session 183: Japanese articulation and beyond. Yasu-Hiko Tohsaku (University of California at San Diego)

出席者数: 20名

発表内容 (文責: Otani; 下線はSoによる)
今回、国際交流基金のサポートのもと、J-GAP事業の提唱者である、當作先生にお越しいただき、お話を伺う機会がありました。これまで3年間、バージニア・メリーランド地域で行われてきたJ-GAPの意義と今後の活動についてお話しいただきました。

バージニア、メリーランド地域におけるJ-GAP事業が、フロリダなどの地域にも広がってきていることはうれしいことであり、特にウィキページなどを通して、その活動を知ったモンゴルやニュージーランドの日本語教師たちがJ-GAP事業に加わるために、教師会を形成しつつあるのは大きな成果だとおっしゃていました。

これまで様々なアーティキュレーション事業がなされてきましたが、援助金がなくなるとともにその活動も消滅してしまうというのが常でした。しかし、これからのアーティキュレーションは、援助金の有無に関わらずに継続していけるものにしていかなければならないと強調されました。長い時間をかけて、せっかく培ってきた繋がりを絶やさずに、次の世代に継承していく術を探る必要があるということです。また、今回アーティキュレーションを達成していく過程で生まれた副産物にはアーティキュレーションに勝るとも劣らない大切なものがあることも特記すべきだということでした。地域や教師の繋がりというものは、金銭に代えられない大切なものなので、ぜひ継続させていってほしいとおっしゃっていました。現代のテクノロジーを使うと、資金をそれほど使わなくても複数の教師が集まれる手段はたくさんあるので、J-GAPという教師連繋モデルを通して、新しいアーティキュレーションの形を全米・全世界に発信していっていただきたいということでした。プレゼンテーションの後半では、21世紀の日本語教師像について、お話しくださいました。

グローバリゼーションによって社会がどんどん変わっていく現代、当然教育も変わっていかなけらばなりません。教える学生の性格や学生が直面する社会も80年代とは大きく違っているので、旧態依然とした方法で日本語を教え続けていてはいけないと強調されました。21世紀のインテリジェンスは「変化に対応できる能力」で、その能力をつけるためには、学習者・教育者ともにイノベーションの精神が必要不可欠になってくるということでした。

従来のように、文法や語彙を中心とした教育よりも、日本語教育を通して「人間として生きる力、思考能力を伸ばす教育」にまでスコープを広げることが大切だとおっしゃっていました。アーティキュレーション活動を維持拡張していく中で、小中高大の日本語教師たちが一緒になって、21世紀の社会に対応できる学生を育てていくことは、ひいては日本語教育の価値そのものをあげることに繋がっていくだろうとおっしゃっていました。
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>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 2015 SEATJ <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<


SEATJ_AFTJ_JGAP_March2015.jpg2015年3月7日(土)、8日(日)にノースカロライナ大学チャペルヒル校で行われた、The 29th SEATJ (Southeastern Association of Teachers of Japanese) 年次会でJ-GAP関係のペーパー発表が1点ありました。


Sunday, March 7, 11:00 – 11:25 プレゼンテーション * 代表発表者

Shinji Shimoura* (Purdue University), Soichiro Motohashi (University of South Florida), Eiko I. Williams (University of Miami), Yasuo Uotate* (University of Florida): 「Can-do Statements」による大学間アーティキュレーション:カリキュラムの向上と教師の成長を目指して



出席者20名程度、この発表の焦点は「カリキュラムの向上と教師の成長」にありましたが、発表者は「Can-do statements」の更なる理解を進めることを今後の目標の一つとして述べ、「JFスタンダード」「みんなのCan-doサイト」のワークショップ開催を検討、計画中。


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 2015 AATJ Spring <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<


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2015年3月26日(木)にシカゴで行われたThe American Association of Teachers of Japanese (AATJ) Annual Spring ConferenceでJ-GAP関係のペーパー発表が1点とパネル発表が1点ありました。


各発表のアブストラクトはこちら(6ページと12−13ページ)



Thursday, March 26, 10:15 – 10:40 プレゼンテーション、出席者26名
Yasuo Uotate (University of Florida), Mako Nozu (University of South Florida), Eiko I. Williams (University of Miami), Soichiro Motohashi (University of South Florida): フロリダ日本語教師会とメンバーの成長:アーティキュレーション プロジェクトを通して
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Thursday, March 26, 10:50 – 12:30 パネル、出席者28名程度
J-GAP 4か年事業報告: 透明性、実現・持続可能性を求めたカリキュラムアーティキュレーションの新しい在り方AATJ_JGAPpanel.jpg

1. Sufumi So (George Mason University): カリキュラムアーティキュレーションの推進活動とティーチャー ラーニング コミュニーティ(TLC) の形成
2. Mieko Kawai (University of Virginia): カリキュラムアーティキュレーション事業を実施する上でのノウハウと注意事項:実体験に基づいて
3. Tomoko Marshall (University of Virginia): 日本語教育のアーティキュレーション支援モデルの開発を教師発信型プロジェクト実践者の経験から考える with Mayumi Hino (Virginia Beach County Schools), Kyoko Vaughan (Hayfield Secondary School), Aiko Kitamura (College of William & Mary), Yasuo Uotate (University of Florida)
4. Comments and Discussion by Yasu-Hiko Tohsaku (University of California, San Diego)

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 2015 CATJ <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<


2015年4月11日(土)、12日(日)にThe University of Findlayで行われる、CATJ 25th (Central Association of Teachers of Japanese Conference 2015)のOATJ (Ohio Association of Teachers of Japanese)-sponsored session としてJ-GAP関係の発表があります。


Saturday, April 11, 10:30 – 11:40 プレゼンテーション
Mieko Kawai (University of Virginia): 「つながり」の先に目指すカリキュラムの透明性:次世代アーティキュレーションモデルの提案

本発表では、2011年に始動した日本語教育グローバル・アーティキュレーション・プロジェクト(J-GAP)の米国モデル地区であるメリーランド・バージニアエリアでの活動を紹介し、活動を進めていく中で得られた知見を基に、新しいアーティキュレーションモデルを提案する。J-GAP USAの活動では、徹底した対話と現場教師のイニシアチブを重視するボトムアップアプローチ(蘇 2011)を事業の方針とし、現場の日本語教師による教師発信型アーティキュレーションプロジェクトの実施を推進してきた。その中には、国際交流基金が開発した「みんなのCan-doサイト」を積極的に活用し、教室活動の達成目標を記述化して自身の学生や他の学校の教師との共有を図ったことで、教師の意識改革、授業活動の改善につながったという事例もある(河合・北村 2013、北村・佐藤 2014)。活動初期の意識調査では「アーティキュレーション=交流、つながり、情報交換」と捉えていた参加者が多かったが、現在では、授業活動における問題意識が他教師との協働作業につながり、更には、学習目標の意識化・記述化・共有化を通してカリキュラムの透明性を高めていく継続的活動として定着しつつある。當作 (2012)は、21世紀型スキルとして学習者が自律継続学習及び協働作業できるようになることの重要性を唱えている。本発表では教師自身がそのスキルを磨くことにより、単発のワークショップや学校、学区単位での評価基準の統一などだけでは達成が難しい、身近なカリキュラムアーティキュレーションの実現に向けて具体的方策を提示する。






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【2014年3月度 活動報告】


2014.3.1 & 3.23 (於 Fairfax, VA), 2014.3.15-16 (於 Charlottesville, VA)
  • 半日、或いは、2日間のミーティングをチームメンバーの都合に合わせて引き続き個別に行い、今年度事業の集大成活動を続行
  • 2014-15年度の計画を検討、その準備としてフィラデルフィアで行う、AATJ Spring Conference 参加者向けのセッションの準備
  • 日英両語のパンフレットの完成(添付)


2014.3.24
J-GAP USA チームメンバーの定例会議 (Skype)で、フィラデルフィアで行う、AATJ Spring Conference 参加者向けのセッションの最終準備打ち合わせ


2014.3.27-28
>>>> 2013-14年度の教師発信型アーティキュレーションプロジェクトの一つがAmerican Association of Teachers of Japanese Spring Conference (@Philadelphia)で3月27日に発表された。発表者、内容は以下の通り。この発表には40名程の聴衆があり、発表後にも質問を受けるなど、それなりのインパクトをもたらしたプレゼンであった。
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「ボトムアップで始まる、アーティキュレーション活動と教師成長の事例報告ー「みんなのCan-doサイト」をツールとして」(A bottom-­up approach to articulation and the development of teachers: A case study using “Minna no Can­‐do Site”)

Aiko Kitamura (College of William & Mary) and Tomomi Sato (University of Virginia)

本発表は日本語教育グローバル・アーティキュレーション・プロジェクト(J-­GAP)の活動を機に現場の教師が「みんなのCan-­doサイト」を利用し、ゴール設定と授業活動、及び学習者の自己評価を行い、アーティキュレーションがカリキュラムの質の向上と教師の自己成長につながった事例報告である。異なる機関の教師がバックワードデザインの考えから共同で初級クラスのコース目標、各課の目標を「Can-­do」で設定した後、それを学習者と共有し、定期的に根拠と条件などを含めた自己・ピア評価をさせ、適切な自己評価能力の育成を期待した。この活動により、「Can-­do」がパフォーマンスレベルでの学習目標の設定とそれに即した教室活動の実践につながり、さらには使用教科書が違ってもほぼ同じ「Can-­do」設定ができ、その結果到達目標の共有と「Can-­do」のプログラム内外における共通言語としての可能性が再確認できた。この活動において特記したいのが、学習者と教師間の連携向上と教師の成長である。教師と学生が常に目標とその達成度を意識できたと同時に、自己評価が学習者から教師、教室活動へのフィードバックともなった。学習者と教師、教師と教師が「Can-­do」をツールとしてゴールを共有し、「できる」をすり合わせることで、教室活動の改善と教師成長につながったと考えられる。また、学習者の適切な自己評価能力育成が円滑なトランジションへの手助けなりうることに触れ、この活動がプログラム内外の円滑なアーティキュレーションにつながることを示唆しつつ、アーティキュレーション活動は現場でできるボトムアップ型教師育成となることを提唱したい。


>>>> 3月28日午前中に、2014-15年度のJ-GAP事業告知活動の準備として、AATJ出席者の中から12名を招待し、インターアクティブなセッションを持った。
J-GAP workshop 03-28-14.jpg


AATJ Spring Conferenceでの上記二つの活動報告はMAATJ (Mid-Atlantic Association of Teachers of Japanese) e-Newsletter March 2014 Issue に掲載された。


【2014年2月度 活動報告】


2014.2.10
J-GAP USA チームメンバーの定例会議 (Skype)で、事業の進捗状況、来年度の計画について話し合った。
  • 2014-15年度の計画を検討、その準備としてフィラデルフィアで行う、AATJ Spring Conference 参加者向けのセッションの詳細検討
  • 2013-14年度事業の最後の2ヶ月(2月、3月)で行う"roundup meetings"について確認


2014.2.15 (於 Charlottesville, VA), 2014.2.23 (於 New York, NY)
今年度事業の集大成を行う、半日ミーティングをチームメンバーの都合に合わせて個別に行い、下記の活動の内容とノウハウを告知するためのパンフレット作り、報告書の共同執筆活動を進めた。

今年度の課題である「ステップ3: 持続可能なアーティキュレーション(連携)構築プロセスの分析、考察 (2013-14)」を念頭に置いた上での活動:
  • 日本語教育グローバルネットワークの事業の一環としてのJ-GAPの目的である「日本語教育のアーティキュレーションを達成するための支援システムの開発」、また、「それに基づくアーティキュレーションの確立」を目指して、アメリカのモデル地区として選ばれたバージニア州、メリーランド州での3年間の試みを、事例研究 (ケーススタディ) の対象と見て、持続可能なアーティキュレーション(連携)構造骨組み設計
  • 事業開始時点から掲げている方針 (徹底した対話アプローチ; 現場の教師の意見、イニシアチブを重視するボトムアップアプローチ (現場主義); 日本語プログラム内、日本語プログラム間での縦と横の連携推進; 日本語教育界と産官民との連携推進; JFスタンダード・みんなのCan-doサイト活用) に基づいて行ってきた、教師発信型アーティキュレーションプロジェクトの導入を、この事例研究の intervention と捉え、教師発信型プロジェクトが行われている現場を complex dynamic system とみなし、複雑な現象の中にも、系統だった傾向性が見られる部分はあるという前提での分析、考察
  • その複雑でありながら系統だった側面を持つ、教師発信型プロジェクトを通してのアーティキュレーション事業の実態を探るために、教師発信型アーティキュレー ションプロジェクトに関わってきた教師を対象に行ってきた focus group interviews、individual interviewsで得られた、教師の見解、体験をこの事例研究のデータとして分析、考察
  • まとめ役として事業に関わってきたJ-GAP USA team メンバーの観察、体験、考察を含め、事業の総体的まとめ


【2014年1月度 活動報告】


2013.12.29, 2014.01.04, 2014.01.14, 2014.01.16
計5つの個別インタビューを実施、各インタビューは2~3時間

インタビューに応じてくださる先生方には、インタビュー開始前に下記事項を明示し、了承してもらった。
HUMAN SUBJECTS PROTECTION DECLARATION
  1. Vulnerable populations are not used in the interview.
  2. The interview involves no more than minimal risk to interview participants.
  3. No deception is used.
  4. Verbal (recorded) or written consent will be obtained from each participant.
  5. Privacy of the participants and confidentiality of the information collected from them will be strictly protected.

このインタビューでは、下記3つの情報を入手することが具体的な目的
  • JFスタンダード・みんなのCan-doサイトを念頭に置いた、教師発信型アーティキュレーションプロジェクトが行われた状況
  • 同プロジェクトの中心課題とそれに対するプロジェクト実施者の反省と感想
  • 実施者から見た同プロジェクトの結果とその評価

インタビュー修了後、その内容を書き上げ、確認のためインタビューの相手に見てもらった。J-GAP USA teamのメンバー間で、GoogleDriveで共有

インタビューで得られた情報をレポート等に含む際には、匿名で行い、本人のものと分かり得る情報は含まず、レポート等に記載する場合は、事前確認を行う



【2013年12月度 活動報告】


2013.12.04
J-GAP USA チームメンバーの定例会議 (Skype)で、事業の進捗状況、今後の計画等について話し合った。
  • 教師発信型アーティキュレーションプロジェクト
  • ACTFL のセッション、focus group interview の反省、感想など
  • 2014-15年度の計画を検討


2013.12.15
J-GAP USA team メンバーが一堂に会し、今年度の課題である「ステップ3: 持続可能なアーティキュレーション(連携)構築プロセスの分析、考察 (2013-14)」を念頭に置いた上で、8月のface-to-face meetingで確認した事項(下に再掲、色付き箇所は追記事項)を進める作業を行った。
  • 日本語教育グローバルネットワークの事業の一環としてのJ-GAPの目的である「日本語教育のアーティキュレーションを達成するための支援システムの開 発」、また、「それに基づくアーティキュレーションの確立」を目指して、アメリカのモデル地区として選ばれたバージニア州、メリーランド州での3年間の試みを、事例研究 (ケーススタディ) の対象と捉える。 ⇒ ここから持続可能なアーティキュレーション(連携)構造骨組み設計

  • 事業開始時点から掲げている方針 (徹底した対話アプローチ; 現場の教師の意見、イニシアチブを重視するボトムアップアプローチ (現場主義); 日本語プログラム内、日本語プログラム間での縦と横の連携推進; 日本語教育界と産官民との連携推進; JFスタンダード・みんなのCan-doサイト活用) に基づき行ってきた、教師発信型アーティキュレーションプロジェクトの導入を、この事例研究の intervention と捉える。教師発信型プロジェクトが行われている現場を complex dynamic system とみなし、複雑な現象の中にも、系統だった傾向性が見られる部分はあるという前提で、事業を進める。
  • そ の複雑でありながら系統だった側面を持つ、教師発信型プロジェクトを通してのアーティキュレーション事業の実態を探るために、教師発信型アーティキュレー ションプロジェクトに関わってきた教師を対象に行ってきた focus group interviews、individual interviewsで得られた、教師の見解、体験をこの事例研究のデータとして、分析し、まとめる。
⇒ 個別インタビューを12月~1月に実施

  • まとめ役として事業に関わってきたJ-GAP USA team メンバーの観察、体験、考察を含め、事業の総体的まとめを行う。 ⇒ 事業報告書を書く作業と平行して行う

  • 「日本語教育のアーティキュレーションを達成するための支援システムの開発」に貢献するに値する日本語版、英語版レポートの作成に全力を注ぐ。 2014.02.15, 2014.02.23, 2014.03.01, 2014.03.15-16, 2014.03.23 に協働執筆活動実施


2013.12.21

J-GAP USA チームメンバーによる個別インタビューの打ち合わせ会議。チームの各メンバーが下記のスケジュールで、インタビューに同意いただいた先生方、それぞれ別の先生をインタビュー

  • So 12/29
  • Marshall 12/29
  • Kawai 1/4
  • Otani 1/14
  • Sato 1/16



【2013年11月度 活動報告】


2013.11.05, 2013.11.12, 2013.11.19
J-GAP USA チームメンバーは、引き続き毎週1時間程度のスカイプミーティングを行い、下記 American Council on the Teaching of Foreign Languages (ACTFL) での以下のセッションで使うPrezi作成に専念した。


2013.11.22.1:15 - 2:15pm
ACTFL Session
"The Final-Year Report of J-GAP: Lessons Learned and Ideas for the Future" (注: タイトルにある 「Final-Year」とは、このページのトップにある全体活動計画に基づき、2011年度に始まったステップ1から3の3年間事業の最終年を意味する)

出席者: 40名弱

http://prezi.com/embed/mhxrucpbyizx/?bgcolor=ffffff&lock_to_path=0&autoplay=0&autohide_ctrls=0&features=undefined&disabled_features=undefined (発表で使ったPrezi)

ACTFL J-GAP 1.jpgACTFL J-GAP 4.jpg

以下は、Mid-Atlantic Association of Teachers of Japanese (MAATJ) e-Newsletter December 2013 issue に掲載された発表報告
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The J-GAP (Japanese Language Education Global Articulation Project) team members and project participants presented a session titled “The Final-Year Report of J-GAP: Lessons Learned and Ideas for the Future” at the 2013 ACTFL Annual Convention and World Languages Expo in Orlando, FL on November 22. Sufumi So of George Mason University, J-GAP USA director, gave a brief introduction. Then the team members discussed a number of issues that Japanese language teachers may encounter when they launch their own articulation projects in their local areas. The issues discussed were based on questions raised by teachers participating in the J-GAP work since 2011, such as “We already have enough networking opportunities in our local area. Why do we need to work on program articulation?” and “It is true that Japanese programs in our area need better articulation. But I am not sure if I, a person with little formal training or experience in Japanese language teaching, could contribute anything at all to such a project.” Furthermore, the team members shared ideas and lessons that they had gained through their experience as Japanese language teacher themselves as well as J-GAP activity facilitator. Five teachers who have been involved in the J-GAP activity (Mayumi Hino of Virginia Beach City Public Schools, Ayako Shiga of Boonsboro High School, Minori Marken of Old Dominion University, Aiko Kitamura of College of William and Mary, Mamiya Worland of Great Falls Elementary School) also shared their thoughts in response to the question “How has your involvement in the J-GAP activity changed the way you teach or see yourself as Japanese language teacher today?”


J-GAP USA Team:
Sufumi So, George Mason University
Mieko Kawai, University of Virginia
Tomoko Marshall, University of Virginia
Tomomi Sato, University of Virginia
Koji Otani, Thomas Jefferson High School for Science and Technology
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2013.11.22.7:00 - 8:00pm
J-GAP USA事業に参加してきた5名の日本語教師 (大学2名、高校2名、小学校1名)を対象にfocus group interview を行った。インタビューのために用意した、質問の流れは以下の通り
J-GAP FGI 11-22-13.jpg
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Introduction
  • アーティキュレーション活動に関わって来ていらっしゃいますが、どうですか。どんなことをしていますか。

Transition
  • 「アーティキュレーション」と言う概念に対してJ-GAPが始まる前と今とどう意識が変わりましたか。はじめる前はアーティキュレーションをどう捉えていましたか。(もし変わったのなら)何がアーティキュレーションの捉え方に変化をもたらしましたか。

Key Questions
  • (成功/失敗と二つにくくることはできませんが)、アーティキュレーションが成功する(つながる)ための要因、うまくいかない要因はなんだと思いますか。
  • 活動がう まくいかないと思った時、あるいはつながりたいと思っているのにつながれないと感じたとき、何をどうすれば少しでもアーティキュレーションへの一歩となるでしょうか。できないと諦めたほうがいいこともあるでしょうか。あるいは、タイミングや様子を見計らったほうがいいと いうこともあるでしょうか。
  • アーティキュレーションをする上で辛かったこと、しておいた方がいい心の準備など、これから始めたい人にアドバイスできることがあったらシェアしてください。
  • Can-doはアーティキュレーションの共通言語、或いは、ツールとして使えるでしょうか。Can-doを効果的にアーティキュレーションに活用するにはどんな工夫や落とし穴の埋め合わせが必要だと思いますか。
  • スタンダード、学校や学区から求められている基準に沿いながら、どのようにCan-doをアーティキュレーションに活用させることができると思いますか。

Ending Questions
  • J-GAPという組織的活動が修了した後、どうアーティキュレーション活動を続けていきますか。何ができる/何がしたいと思いますか。(現実的/理想的、短期的/長期的)

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このfocus group interview の発言は書き起こし、GoogleDrive に保存。そのまとめは、最終レポートに含められる。

ディスカッション中の発言例:
  • J-GAPの活動を始める前には何かを一緒にやれば、それがアーティキュレーション活動と思っていたが、やってみたら、いろんなところに可能性が開け、もっと深いということが分かった
  • もっとみんなが (J-GAPに関わって) いろんなことをやりたがると思っていたが、意外と進まないのに驚いた。やりたくない人がいるんだと言う現実があることに驚かされた
  • 中立的立場にあるモデレーターの必要性
  • 受け身になった途端 苦しくなる、体力的にもしんどいこともある受け身になったら疲れる;学生が上手になった;これやったらと考えると学生の顔が浮かぶ;ゴールが見えると考える
  • 仕事量が増えても、責任感を与えられると、やりがいがでてくる
  • 目標設定をするときに、Flexibleにならなくちゃいけない;目標設定がはっきりしないため、ゴールが見えない部分もあり、きちんとした結果が出せないこともあり得る
  • ゴールを設定し、Can-doで書いていくことで、違う教科書でもCan-doを使えば、共通項が多く見出されることが判明
    Can-doを知るまでは「できない」ことを対象に評価して来た
  • 「できる」というその程度をどこまで理解し合えるかが疑問
  • 教科書の域を越えた Can-do を教師が理解できる必要あり、それができると教師の意識改革が起こり得、それが日本語教育革命を引き起こし得る



【2013年10月度 活動報告】


2013.10.04
J-GAP USA チームメンバーの定例会議 (face-to-face)で、事業の進捗状況、今後の計画等について話し合った。
  • 教師発信型アーティキュレーションプロジェクト
  • FLAVAのセッション計画を煮詰める
  • ACTFLのセッションの構想について議論
  • 2015年3月までの計画を検討


2013.10.05
Foreign Language Association of Virginia (FLAVA) で下記セッションを行う
"Connecting the Dots: JF Can-Do Statements, Backward Curriculum Design, and Japanese Language Program Articulation"
参加者: 28名
  1. 同セッションのキーワード (JF Can-do statements, backward curriculum design, Japanese program articulation) の簡単な説明
  2. 上記三つのキーワードが含まれた実例紹介
  3. 聴衆の先生方に小グループで「Can-do statements 」を使ってお互いの日本語プログラムのカリキュラム、コースについて話してもらう。目的は、お互いのプログラムについて話し合う際に、Can-doが共通言語となり得るかを模索すること。
FLAVA13a.pngFLAVA13b.png

上記3の項目をセッションの主とした。参加者の「みんなのCan-doサイト」の知識、経験の度合いは大きく異なったが、今担当しているレベルの平均的な学習者が日本語でできることを、What・ In what situations・ How well を念頭に置いて、Can-do statementsを使って記述してもらい、あまり馴染みのない先生方との小グループで、使用教科書や教育レベル(小中高大)を越えた次元で話し合ってもらった。

以下は、記述例:
参加者 A. Japanese 1 (日本語学習を始めて1ヶ月後の現時点でできること)
  • 社会言語学的側面にも注意してあいさつができる
  • 自己紹介が口頭でできる
  • ひらがなチャートを参考にしながら、自己紹介文が書ける
  • 自分についてクラスメートと会話ができる

参加者 B. Japanese 1 (日本語学習を始めて1ヶ月後の現時点でできること)
  • 自分の名前、学年、年齢、出身国が日本語で言える
  • おじぎをしながら、日常のあいさつができる
  • カタカナで書かれた語を理解し、意味を推測することができる
  • 「〜は〜ですか」の質問に対して、「はい」「いいえ」で受け答えできる

参加者 C. Japanese 1 (日本語学習を始めて1ヶ月後の現時点でできること)
  • 初対面の人にちゃんとあいさつができて、自分を紹介することができる
  • 一般的なあいさつができる
  • 先生の日本語での指示に適切に対応できる
  • 身近なことを伝えることができる (例:「好きな科目は〜です」)

参加者 D. Japanese 1 (日本語学習を始めて1ヶ月後の現時点でできること)
  • あいさつと自己紹介ができる (自己紹介の前後にお辞儀をして、その時の時間に合ったあいさつをし、自分の名前を言うことができる)

参加者 E. Japanese 1 (日本語学習を始めて1ヶ月後の現時点でできること)
  • 時間と相手によって挨拶の違いを認識し、使い分けができる
  • 「くん」「さん」「せんせい」の違いを認識し、使い分けができる
  • 自己紹介ができる
  • 教室での教師の指示を聞いて、指示に従うことができる(立ってください、座ってください、見せてください、など)
  • 相手の名前を聞くことができる
  • 自分の名前を聞かれて、答えることができる
  • 学校で使う文房具の言葉を聞いて、認識できる
  • 文房具に関するYes/Noの質問に答えられ、Yes/Noの質問ができる
  • 日本とアメリカの文房具の違いが分かる(下敷き、筆箱など)
  • ひらがなの文字と音の認識ができる
  • あいさつや教室で使うことばをひらがなで読むことができる

参加者 F. Japanese 1 (日本語学習を始めて1ヶ月後の現時点でできること)
  • 【話す】かんたんな挨拶ができる;教室内で必要な言い回しが正確に使える;「これは何ですか」のような簡単な質問ができる;天気、カレンダー、サイズ、形について話ができる;1から100まで日本語で言える;日本語で歌える
  • 【聞く】先生の指示に従って言われた行動がとれる
  • 【読む】自分が書き取ったものを読み上げることができる;教科に関連した表現が読める(例:15 > 8 15は8よりおおい)
  • 【書く】ひらがな、カタカナで書かれた文を正確に模写できる;同じ発音のひらがなとカタカナをマッチングすることができて、書ける;言われた数字を正しく書くことができる

参加者 G. Japanese 1 (学年末までにできること)
  • 基本的なあいさつと自己紹介ができる
  • 時間や数字に関する基本的な理解と表現ができる (時計が読め、カレンダーで自分の決めた日にちを言い、聞き取って、理解することができる)
  • 地図を使って、自分の行きたい場所までの道順を言い表すことができる
  • 基本的な疑問詞(who, when, how, etc.)を正確に理解し、回答できる
  • 現在、過去のことを、それぞれの時制を使って表現できる
  • 主語、述語、形容詞を識別して言語表現を理解することができる

参加者 H. Japanese 1 (学年末までにできること)
  • 挨拶ができる
  • 自分の家族、趣味、好き嫌いなどが話せる
  • 家族、趣味、好き嫌いなどについて質問ができて、答えられる
  • 家族、趣味、好き嫌いなどについてひらがなとカタカナを使って書き、伝えるこことができる
  • 家族、趣味、好き嫌いなどについてひらがなとカタカナを使って書かれた手紙などが読める
  • 挨拶や簡単なやりとりにおける文化的仕草、言葉の使い方が分かっていて、状況に適した使い方ができる

参加者 I. Japanese 1 (学年末までにできること)
  • 挨拶ができる
  • 単文によるやりとりができる
  • 状況に適した語彙、表現が使える
  • 助詞や活用に間違いのない表現をし、言いたいことを伝えることができる

参加者 J. Japanese 1 (学年末までにできること)
  • 名前、出身地、年齢、趣味などを織り込みながら、自分のことを紹介することが出来る
  • 上記の事項について、他の人に聞くことができる
  • 上記の事項について、人とやりとりができる
  • 教室内の指示がわかって、相応の行動を取ることができる
  • 簡単なストーリーを聞いて、理解できる

参加者 K. Japanese 1
  • 身近なことについて、そこそこに質問できる
  • 身近なことについての質問の答えを理解できる
  • 身近なことについて質問された時は答えられる

参加者 L. Japanese 1
  • 自分のことについて(例:名前、年齢、誕生日、十二支、好きなもの、家族構成)、日本語教師が既習構文を使って質問した場合に答えられる

参加者 M. Japanese 1
  • 特定された内容 (年齢、出身地、学年など) について、流暢さには欠けるが、普通の速さで話せる

参加者 N. Japanese 1
  • 下記を含む入学希望者のための説明会でプレゼンテーションができる
    • 簡単な自己紹介
    • 大学生活 (授業や部活など)
    • 大学に入る為のアドバイス (入るためにやっておいたほうがいいことなど)
  • 寮のRA として寮生にオリエンテーションのプレゼンテーションができる

参加者 O. Japanese 1
  • 留守電に1分ぐらいの簡潔明瞭なメッセージ (名前、家族、趣味など) をスクリプトなしで残すことができる

参加者 P. Japanese 1
  • 留学応募のための1〜2分程度の自己紹介ビデオを作成することができる
    • スクリプトなしでプレゼンできる
    • おじぎが適当にできる
    • 笑顔で自信を持って話すことができる

参加者 Q. Japanese 1 (Unit 2)
  • クラスメートや日本人留学生と自分のこと(名前、年齢、出身地、家族など)について話すことができる
  • 相手の自己紹介を聞きながら、相づちを適切に打ったり、質問をすることができる

参加者 R. 中学生
  • 自分や家族の性格、外見、好きなことなどの簡単な描写を口頭と作文ですることができる
  • 一対一、或いは、小グループで、主に既習項目が使われる会話に参加できる
  • 日本語のみで行われる日本語学習環境でサバイバルできる

参加者 S. 小2 (partial immersion)
  • 教師がゆっくり、はっきり尋ねた質問に対して、簡単な文で応答できる
  • 日本語のカレンダーを読める


2013.10.08, 2013.10.15, 2013.10.22, 2013.10.29
J-GAP USA チームメンバーは、毎週1時間程度のスカイプミーティングを行い、11月に行われる American Council on the Teaching of Foreign Languages (ACTFL) での以下のセッションの準備を入念に行った。

ACTFL Session 11/22 (Fri) 1:15 - 2:15pm
The Final-Year Report of J-GAP: Lessons Learned and Ideas for the Future



【2013年9月度 活動報告】


2013.09.15
日本語版レポート執筆開始。チームメンバーの共同執筆作業の円滑化のためにGoogleDrive活用


2013.09.21
メリーランド州に在るJohns Hopkins UniversityでJ-GAP USA 事業の説明とアーティキュレーションについての話し合いの機会を持つ。
JHU_Sep2014.JPG
  • 参加者: 18名 (メリーランド州の大学、高校日本語教師、バージニア州の大学、中高日本語教師、ワシントンDCの大学日本語教師)
  • つながり合うことの必要性と価値の再認識、また、J-GAPという組織だった事業の枠内でアーティキュレーション活動を行うことの意義の確認の他、自由闊達な意見交換。先生方から出された個々の発言の一部を以下に掲載
    • 転校生、或いは、既習者で日本語を続ける学生への対応、特に書き指導が課題 (大学)
    • 中国人留学生の日本語学習、ドラマやアニメで日本語に触れ、覚えてきた学習者への対応が課題 (大学)
    • 日本語のクラスと日本文学のクラスとの連携が課題 (大学)
    • 同じ学校内の他言語プログラムと競争関係ではなく、共生的関係(日本語と他言語プログラム間のアーティキュレーション)を作ることの難しさ (大学)
    • 日本で学生として、或いは、社会人として成功する学習者を育てることは、アメリカの日本語プログラムのゴールになり得るか。プログラムの目標が学習者の日本語能力評価の基準に影響を与える (大学)
    • 日本やアジアへの意識が低く、懸念感のある地域で日本語を教えるということ自体の難しさ (大学・一般)
    • 日本語学習者のニーズ、能力の多様性、多様性に対応できる教師の教授力が課題 (大学・一般)
    • 学習者数の減少、但し、ティーチング、学習の質は向上の感あり (高校・大学)
    • アーティキュレーション事業を学校内、学区内での日本語プログラムの存在感の向上(アドボカシー)に繋げたい (高校)
    • 近郊の小学校の日本語プログラムとの交流をアーティキュレーション、アドボカシー活動として行う試み (高校)
    • 近年特別支援教育を必要とする日本語学習者が増加、学習者の質の変化 (高校)
    • 上のレベルに残る学習者が少ない、プログラム内のアーティキュレーションも課題 (高校)
    • 学校、学区レベルで必須の全般的教育目標である、クリティカルな思考力、21世紀スキルの養成をどう日本語教育の現場に取り入れていくかが課題、その上でどう縦横のアーティキュレーションを進めていくかが今後の課題 (高校)
    • 自律学習者を育てるという教育方針を保護者に理解してもらうことの難しさ、「産官学民」の「学民」の連携が課題 (中学)
    • 「みんなのCan-do」に関するコメント:
      • 学習者は「何ができるのか」が見えるようになって、授業がしやすくなった
      • 教科書が違ってもCan-doを使うことで、共通項が見い出せ、プログラム間の対話が可能であることに気付いた
      • 同じプログラムのプレースメントテストでも、教師によって評価基準がかなり異なり、プレースメントテストの結果に影響を及ぼしている。Can-do をプレースメントテストに活用することで、評価基準を標準化することができるかも。プログラム内アーティキュレーションの課題
      • Can-doを根幹としたカリキュラムの結果としての学習者の日本語能力教師の教授力」との方程式を可能にするかも
      • 各日本語プログラムを Can-doを使って特徴付け、それを公開することで、各プログラムの透明性が向上する


2013.09.26
10月に行われるForeign Language Association of Virginia (FLAVA) での以下のセッションの段取り決定

"Connecting the Dots: JF Can-Do Statements, Backward Curriculum Design, and Japanese Language Program Articulation"
  1. 同セッションのキーワード (JF Can-do statements, backward curriculum design, Japanese program articulation) の簡単な説明
  2. 上記三つのキーワードが含まれた実例紹介
  3. 聴衆の先生方に小グループで「Can-do statements 」を使ってお互いの日本語プログラムのカリキュラム、コースについて話してもらう。目的は、お互いのプログラムについて話し合う際に、Can-doが共通言語となり得るかを模索すること



【2013年8月度 活動報告】


2013.08.16
J-GAP USA team メンバーが一堂に会し、2011年より行ってきた3年計画(このページのトップ参照)の進捗状況を吟味、予定通りに事業が進んできたことを確認

今年度の課題である「ステップ3: 持続可能なアーティキュレーション(連携)構築プロセスの分析、考察 (2013-14)」を残り7ヶ月でいかに進めていくかについて入念に検討、下記事項確認
  • 日本語教育グローバルネットワークの事業の一環としてのJ-GAPの目的である「日本語教育のアーティキュレーションを達成するための支援システムの開発」、また、「それに基づくアーティキュレーションの確立」を目指して、アメリカのモデル地区として選ばれたバージニア州、メリーランド州での3年間の試みを、事例研究 (ケーススタディ) の対象と捉える。
  • 事業開始時点から掲げている方針 (徹底した対話アプローチ; 現場の教師の意見、イニシアチブを重視するボトムアップアプローチ (現場主義); 日本語プログラム内、日本語プログラム間での縦と横の連携推進; 日本語教育界と産官民との連携推進; JFスタンダード・みんなのCan-doサイト活用) に基づき行ってきた、教師発信型アーティキュレーションプロジェクトの導入を、この事例研究の intervention と捉える。教師発信型プロジェクトが行われている現場を complex dynamic system とみなし、複雑な現象の中にも、系統だった傾向性が見られる部分はあるという前提で、事業を進める。
  • その複雑でありながら系統だった側面を持つ、教師発信型プロジェクトを通してのアーティキュレーション事業の実態を探るために、教師発信型アーティキュレーションプロジェクトに関わってきた教師を対象に行ってきた focus group interviews、individual interviewsで得られた、教師の見解、体験をこの事例研究のデータとして、分析し、まとめる。
  • まとめ役として事業に関わってきたJ-GAP USA team メンバーの観察、体験、考察を含め、事業の総体的まとめを行う。
  • 「日本語教育のアーティキュレーションを達成するための支援システムの開発」に貢献するに値する日本語版、英語版レポートの作成に全力を注ぐ。


2013.08.22
9月にメリーランド州の日本語教師を対象に行う、J-GAP USA 事業の説明とアーティキュレーションについての話し合いの会合の準備を、会場候補のJohns Hopkins University で行う。



【2013年7月度 活動報告】


7月度は、チームのメンバーが今後の活動に向けて各自の責任遂行、個人レベルでの連絡の取り合い
  • 8月のチームメンバーが一堂に会して行う終日会議
  • 9月のメリーランドで行う会合
  • 10月のForeign Language Association of Virginia (FLAVA) での発表
  • 11月のAmerican Council on the Teaching of Foreign Languages (ACTFL) での発表



【2013年6月度 活動報告】


2013.06.16
AP Reading と呼ばれるアドバンストプレースメント試験の採点会場(Salt Lake City)で、日本語試験採点者としてアメリカ全土から選ばれた40名ほどの高校、大学の日本語教員が一堂に会し、J-GAPの紹介を聞いた後、それぞれの地域での日本語のプログラムアーティキュレーションの状況について話し合う機会を持った。

その結果、見えてきたことは以下の通り
  • アメリカでの日本語プログラムの多くが少人数で運営されており、そのプログラムが属する学校のサポートも限られているところが少なくない。よって、ほかの学校のプログラムとつながることは、自分のプログラムの存続と発展にいい影響を及ぼすと考えられる。実際、その繋がり合いのお陰で、一旦廃止決定になったプログラムが復活した例もあるとのこと。⇒ プログラム アーティキュレーション の価値の認識あり

  • その一方で、以下の課題が不透明と感じている教師が比較的多い
    • プログラム アーティキュレーション活動 と カリキュラム開発、改善の関係
    • プログラム アーティキュレーション活動 と アドボカシー活動の関係
    • J-GAP USA 2011-14 事業の試みである、「JFスタンダードの木」と「みんなのCan-doサイト」をプログラム アーティキュレーション活動を行っていく中で"共通言語"として活用することの有効性
    • プログラム アーティキュレーションがプログラムのstandardization (標準化)ではなく、各プログラムの方針を尊重しつつ、お互いのプログラムの目標、教授法、教授内容等を理解し合う活動であるということ

AP Japanese に関しては、http://apcentral.collegeboard.com/apc/public/courses/teachers_corner/37222.html 参照のこと。


2013.06.24
J-GAP USA team Skype での定例会議
上記Salt Lake City での会合報告、7月度活動準備



【2013年5月度 活動報告】


2013.05.06
J-GAP USA team Skype での特例会議 (40分)
下記プリンストンでの発表と討論会の準備


2013.05.11-12
☆ The 20th Princeton Japanese Pedagogy Forum (PJPF): Connection, collaboration, and articulation: Beyond differences 連携、協働、接続: 多様性をつなぐ試み
J-GAP関係の発表、以下2点。

http://www.princeton.edu/pjpf/past/20th-pjpf/Proceedings_13_final2.pdf

  • 「上手な」会話とは: 4大学間の口頭表現能力評価基準の検証プロジェクト by Aiko Kitamura (College of William and Mary) & Mieko Kawai (University of Virginia)
日本語論文
2013PJPFb.jpg

  • Japanese Language Program Articulation in the US: The J-GAP Work by Sufumi So (George Mason University) with Tomoko Marshall (University of Virginia), Tomomi Sato (University of Virginia), Mieko Kawai (University of Virginia), and Koji Otani (Thomas Jefferson High School for Science and Technology)
英語論文
2013PJPFa.jpg


☆ PJPF 出席者を対象にアーティキュレーションに関する自由討論
目的: 第20回PJPF学会のテーマ「連携、協働、接続: 多様性をつなぐ試み」について意見、情報交換

主要質問:
  1. アーティキュレーションという言葉を一言で説明すると、どんな行動、活動になるだろうか
  2. アーティキュレーションを円滑にするというのは、具体的に何がどうよくなるということなのか
  3. 達成目標を明らかにするためのツールとして「みんなのCan-Doサイト」を使い、具体的に学生の達成度を「〜できる」という観点で記述することとカリキュラムのアーティキュレーションの関係についてどう考えるか


2013.05.17
J-GAP USA team Skype での定例会議
教師発信型プロジェクト進捗状況の把握、PJPF反省、6月度活動準備



【2013年4月度 活動報告】


2013.04.12
Japan Bowl と呼ばれる、アメリカ国内で日本語を学ぶ高校生を対象に年に一度行われる、日本語、日本文化に関するクイズの全国大会がメリーランド州で行われたが、生徒の引率でいっしょに来ている日本語教師の集いで、J-GAPの一環として、横の連携を目指した教師発信型アーティキュレーションプロジェクトを行っているメリーランド州の公立高校の教員3名が代表して報告を行った。

報告内容: 各高校のプログラムに現存のカリキュラムを比較し、達成目標を Can-do statements を使って明確化し、その共有を図っている。それと平行して、教師間の対話を積み重ね、レッスンプランの共有や違う学校の生徒間の交流、或いは、合同イベントを企画し、より一層の連携強化を目指している。


2013.04.17
J-GAP USA team Skype での定例会議 (1時間半)
事務連絡のほか、2013-14年度の事業目標、内容の検討と確認(下記)
  • 教師発信型アーティキュレーションプロジェクトは5つに絞って続行。すべてのプロジェクトにおいて、それぞれの活動がJFスタンダード・Can-do statements、backward(逆向き)カリキュラムデザイン、アーティキュレーション をキーワードとして進行するよう管理し、年度内に教師会等で発表することを具体的目標にする。

  • JF日本語教育スタンダード普及活動に立脚した上で、アーティキュレーションのプロセスを明らかにすることを目的とする。諸々の活動で検討すべき中心課題は、(A) JF日本語教育スタンダードが教師の授業設計に、また、学習者の学習にどのようなインパクトをもたらした、或いは、もたらし得るのか、(B) JF日本語教育スタンダードがプログラム間のアーティキュレーションにどう影響した、或いは、影響し得るのか


2013.04.29
下村博文文部科学大臣主催・在米教育関係者との意見交換会(於ワシントン市内)で、プレゼンターとして招待された、J-GAP USA事業の中心者So が話の中でJ-GAPの米国での活動に言及




始========== 2013.05.08 (S.So) ==========>>

【2013年2、3月 活動報告】


これを持って、2012/13年度 J-GAP USA 事業の最後の報告にします。このページの下のほうにある【2012-13年度活動計画】はすべて実施、この一年間で予想以上の結果と今後の課題が提示されました。

[1] J-GAP USA team の定例、特例会議 (計3回)


2月7日(1時間)のスカイプミーティング、3月8日(3時間)と3月22日(2時間)の差し向かいの会議では、 事業計画実施のための事務連絡のほかに、2011年から2年間掛けて行ってきた活動を振り返り、チームメンバー間の話し合いを通して、その成果、教訓、今 後の課題をまとめる作業に多くの時間を費やしました。それは、同事業の最終年となる2013-14年度の活動をより有意義なものにするためです。

話し合いの結果、「JF日本語教育スタンダード」と「みんなのCan-doサイト」を使ったカリキュラムのアーティキュレーションを進めていく上で以下の点などを視野に入れる必要があることなどが明らかになりました。
  • 各教師が有する内的、外的要因が重層的に働き合ってお互いの関係性が構築される
  • 教師間の信頼関係、問題意識の度合いも大きな要因
  • 第3者の介入の意義と有効性
  • 自分が関わっている活動を定期的に振り返り、文書にまとめ、公の場で発表する機会の重要性
  • 責任感の共有が各教師の自信につながり、professional identity の構築、エンパワメントに通じる

持続可能なアーティキュレーションモデルの構築のためには上記のような文脈的要因の十分な認識無しには、実質的なカリキュラムのアーティキュレーションは起こり得ないという結論に到りました。今後アーティキュレーション活動を進めていく上で、教育現場の文脈的要因の考察と、「JF日本語教育スタンダード」と「みんなのCan-doサイト」のカリキュラムのアーティキュレーションへの活用というカリキュラムの実質を相互的に検討していくことになります。

米国でのJ-GAPの活動は、まさに学問の諸分野で使われている「emergence」という概念でその性格が説明できます。J-GAPで目指すプログラム間のアーティキュレーション活動の本質は、それでないと説明できないように思います。教師間の、また、教師が持ち寄る資料を通しての比較的シンプルながら複層レベルでのやりとりから complex systems/patterns が生まれてくるという見方です。

この話し合いを通じて、「JF日本語教育スタンダード」と「みんなのCan-doサイト」を中核に据えた、2013-14年度の活動の目標が持続可能なアーティキュレーションモデルの構築であることを再確認し、アーティキュレーション活動の実相を具体的に明らかにしていくということで意見が一致しました。また、我々が目指すアーティキュレーションモデルは結果のモデルではなく、プロセス(過程)のモデルであることも再確認しました。まさに「emergence」の概念そのものです。



[2] 教師発信型個別のアーティキュレーションプロジェクトの報告書 (計11本)


2012年4月から続けて行われてきた教師発信型アーティキュレーションプロジェクト10の報告書が以下の形式で作られ、2月15日までに提出されました。

1. 誰が[who] 何を[what] どう[how] 何のために [why] の3Ws1Hに焦点を当てて当初の計画を書く
2. 実際に行った活動、その成果
3. このプロジェクトに関わることで学んだこと、反省点など

概略は以下の通り。報告者は名前のイニシャルで、教育機関のタイプは「小」(小学校)、「中」(中学)、「高」(高校)、「大」(大学)で表示しています。上記 [1] の結論としている、アーティキュレーション活動の文脈的側面カリキュラムの実質的側面から見ることで、11の報告書を総括的にまとめることができます。

【小 MW】 同じ学区の小学校のpartial immersion programs で年度末に実施される、話す・書くのテストの評価を中心に縦のアーティキュレーションを試みた。今後はJFスタンダード、みんなのCan-doサイトに焦点を当てて、同プログラムのカリキュラムを再考したい。

【大 TT】 プログラム内の縦のアーティキュレーションを目指して、自分に任されたコースにJFスタンダードと「みんなのCan-do」の概念を取り入れた授業を実施。その過程で「単語や文法の学習の目的は、それらを使って、何ができるか、つまり、Can-doを遂行するためにあるべきではないかと考えるようになった」との気付きあり。語彙や文法テスト、リスニングテストは出来るだけCan-doの目標に関連したテストを作成するようにはしたが、まだまだ改善の余地がある。

【大 AK】 4つの大学間で、それぞれの大学で学ぶ日本語学習者の会話力を検討。基準項目を「Can Do Statement」という形でまとめた一つの評価表を作り上げ、それを用いて学習者の発話を評価した。その過程での討議は「日本語が上手である要因は何か」という認識の共有に到った。また、学習者にもその成果が還元され、学習者の会話に対する意識が高まった。

【大 MM】 日本語力が同レベルの高校生が行ったプロジェクトを、大学で日本語の会話教材として活用。反省点としては、大学の授業の中でより細かい明確な目標設定や基準が明示されるべきであったということ。そのために、今後は「Can-Do Statement」を活用して目標を明確にし、それを学生、その他の教員と共有する予定。

【大 MM】 同地域内の中、高、大間の日本語学習者が教室以外で日本語、日本文化に触れる活動を行ったが、このような活動をどう各レベルのカリキュラムに体系的に取り入れるかが課題。プログラム間のアーティキュレーションに結び付けていくためには、JFスタンダードのような各機関内のカリキュラムの枠組みを包括することができる総括的モデルの使用が不可欠との反省。

【大 MK】 同地域内の高校と大学の日本語教師が毎月1回勉強会と称して各自のカリキュラムの目標、内容、更には、具体的なレッスンプランなどについて話し合った。継続して参加したメンバー全員の感想は、じっくり対話することの価値と有効性。今後は、みんなのCan-Doサイトに関連付けての勉強会を続行。

【高 TU】 近郊の高校と大学の教師間で共通の教材を、JF スタンダードのコミュニケーション言語能力(特に、言語構造的能力)に焦点を当てて具体的に検討、高校から大学への縦のアーティキュレーションの円滑化を目指した。この作業の過程で、高校、大学特有の課題が見えてきた。また、ティーチングに纏わる課題に関して、「初めからどうしたら正しいのかと言う先入観があったが、その先入観をゼロに戻し、学習者だったらどうしたら学びやすいのであろうかという事を中心に考えられるようになってきた。」また、「教師からの目線だけで全てが解決するのだという考え方から脱皮し、自分達は専門家としてのスキル、知識、語学講師としての最低の準備をしているのだろうかと言う事も考えさせられた。」

【大 YJ】 同じ州内の高校、大学の日本語教師との対話、授業見学を実施。感想、発見としては、「高校の先生及び学生との交流は画期的な出来事だった」「お互いにアプローチ、内容ともにかなり違うことを確認しあった」「学習者の成長過程を鑑みれば、異なった教授方法、学習方法はある意味で当然のことで、敢えて同じ授業内容、教授方法を求め合う必要はない」「行動に移したことで、対話がいかに大切かを改めて感じ取ることができた」。教える教材、内容が異なるからこそ、Can-do statements を活用する意義が生まれる。

【高 YT】 サーベイや授業見学などを通して、高校教師が州内の大学の日本語教育の現状把握に努めた。今後もこの努力を続けていると同時に、同じ郡内の他の高校教師との連携強化にも尽力する。集まった情報を次のアクションプランに繋げていくために、JFスタンダードなどの包括的カリキュラムモデルの活用が必至。

【中 MT】 近郊地域の大学、中高校の教師の連携強化。

【高 SK】 同じ州内の高校間で、カリキュラムの比較。Can-do statements を使って、達成目標事項を共有し、横の連携強化に活用。


[3] 全米日本語教育学会 (American Association of Teachers of Japanese; AATJ) 春季大会での発表、及び、同春季大会参加者を募ってアーティキュレーション、JFスタンダード、みんなのCan-doサイトをテーマに半構造化インタビュー形式に基く自由討論



★ 3月21日のAATJ Conferenceでの発表の詳細は以下の通り。
タイトル: Researching the Japanese language program articulation project from a complex systems perspective

発表者: S. So (George Mason U), M. Kawai, T. Marshall, T. Sato (U of Virginia), A. Kitamura (College of William and Mary), Y. Johnson (Johns Hopkins U)

聴衆: 25~30名程度

発表のポイント (発表で使用したスライド添付):
So: アーティキュレーションを教育現場での活動として行うのと平行して、質的研究方法を使って調査研究し、そこから引き出された見識、気付きを進行中の活動に還元されることの意義について

Kawai, Marshall, Sato, Kitamura: Can-do statementsを活用したアーティキュレーションプロジェクトの実例紹介

Johnson: ACTFL Proficiency Guidelines と JF Can-do statements の比較考察から後者がどうアーティキュレーション活動に有効に活用できるかを理論的に解説

反省:
25分という限られた時間内に上記の3部構成の発表をしたため、それぞれが駆け足で終ってしまし、3部間のまとまりに欠けてしまいました。

発表者の発話から、米国でのJ-GAPの活動で目指していることがカリキュラムの画一化であるという誤解を招いてしまった点は非常に遺憾で、今後は誤解を招くことのないように気をつけます。J-GAPの活動で目指しているものは、最終的に同じ教材や指導要領を使うということではなく、それぞれのプログラムに秘められたカリキュラムの"個性"を尊重した上で、お互いのプログラムを付き合わせ、対話を通して、教育の目的観、方針、内容で重なる部分、重なりそうな部分を探り求め、認識し合いながら、縦横のプログラムのアーティキュレーションを進めていこうというものです。その過程で「JF スタンダード」 及び 「みんなのCan-doサイト」を活用するというのが我々の方針です。




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★ AATJ Conference翌日の3月22日にアーティキュレーションに関する自由討論 -- 詳細は以下の通り。

出席者: J-GAP USA チームメンバー4名、地域的にも性格的にも大きく異なるアメリカの大学で教鞭を執る先生方 7名が参加。小中高の先生方の出席は無し。

時間: 1時間半

主要質問:
  1. アーティキュレーションという言葉を一言で説明すると、どんな行動、活動になるだろうか
  2. アーティキュレーションを円滑にするというのは、具体的に何がどうよくなるということなのか
  3. アーティキュレーション事業が自分の地域で行われることになったと仮定したら、どんな活動がなされるといいと思うか
  4. 他校の日本語プログラムについて知りたい場合、どういう情報が知りたいか
  5. 達成目標を明らかにするためのツールとして「みんなのCan-Doサイト」を使い、具体的に学生の達成度を「〜できる」という観点で記述することとカリキュラムのアーティキュレーションの関係についてどう考えるか

参加者の発言に関しての特記事項:
  • 「"アーティキュレーション = カリキュラムの画一化" という縛られた考え方ではなく、言語に備わる本質に根ざしたところでの教育目的を見出し、そこで合意を得ることを目指す、また、その合意された教育目的を達成するために何をどう教えるかというのは多種多様であって然るべきで、その多種多様のカリキュラムについて話し合うという考え方に立ったアーティキュレーション活動を目指したい」
  • 一個人が感じているアーティキュレーションの必要性をその人がいる身近な環境でどう広く共有していったらいいのかが多くの参加者の課題のようだ。
  • 参加者の多くはアーティキュレーションの必要性を感じているようだが、見ている先が「自分の職場」ではなく職場の外になっているようだ。 それは職場内にアーティキュレーションに興味がある先生がいないからなのか、身近なところに目が向かないのか、難しいと判断したのか、または プログラム「外」との連携をアーティキュレーションと捉えているのか分からないが、プログラム内でのアーティキュレーションという話にはほとんどならなかった。
  • 大学側も変わるべき、プレースメントテストを見直すべきとの意見がいくつかあり。
  • 参加者のほとんどがアーティキュレーションに積極的に関わっていて、高い関心がある。しかし難しい、忙しい、自分が動いても返事が来ないなどアーティキュ レーションが必要だとは感じつつもどちらかというと否定的な印象を持っていたり、もしくは周りの先生がそう言う印象を持っていると感じていたりするように も見受けられた。
  • Can-Doの使用に関しては自分のプログラムや現在教えているコースの到達目標を表すのに使用するというよりは、相手の情報を知るのに役立つと考えている先生方が多いようである。


>>========== 2013.05.08 (S.So) ==========終


始========== 2013.02.06 (S.So) ==========>>

【2012年12月 & 2013年1月 活動報告】


2012/13年度 J-GAP USA 事業の概略につきましては、このページの下のほうにある<2012.10.08 (S.So)>報告をご参照ください。ここでは、[1] 2012.12、2013.1月度の活動を報告、[2] 今後の活動計画を簡潔に述べます。

[1] 2012年12月、2013年1月度の活動

【報告事項 1】


チー ム役員の定例、特例会議をスカイプで2回 (1/10, 1/16)、face-to-face で2回、どちらも役員2名が居住する北バージニアのフェアファックスで行いました (12/15, 1/18)。

12月15日の差し向かいの会議では、4時間掛けて今後の計画について密に話し合い、アーティキュレーションの活動に関して以下の点を確認しあいました。この理解のもと、JFスタンダード、及び、Can-doサイトの普及にJ-GAPがどう貢献できるのかがより明確になりました。

アーティキュレーション活動は、財的資源 (funds)、人的資源 (facilitator, coordinator) がなくてもできる。但し、より充実したものにするためには、特に facilitator, coordinatorの必要性は否めない。特に、教師発信型のプロジェクトを公の場で発表することが教師の professional pride/empowerment に直結しているように見受ける。となると、財的、人的資源は必要であろう。個々のプロジェクトをきちんとした形でやりとげるためにも facilitator, coordinatorは必要。facilitator, coordinatorの第三者の目が軌道修正などに役立つはず。その過程で必要なのは、プロジェクト実施者間、実施者とコーディネータ間の対話。そして、各教師が持つべき、よりよい日本語教師へとの向上心。「アーティキュレーションのモデル」は結果のモデルではなく、プロセス(過程) のモデルで、この構築のためにも有意義なFocus Group Interviewsを重ねて行うことが重要。また、その結果をきちんと分析し、文書に残すことが必要。
1月10日 (1 hr)、16日 (1 hr)、18日(2.5 hrs)のミーティングでは、1月19日のJ-GAPワークショップの準備、及び、J-GAP第3年目の事業案を検討しました。第3年目の事業案に関しては、大体月1回のペースでJFスタンダード、及び、Can-doサイトのアーティキュレーションへの活用というテーマを中心にfocus group interview (FGI) を行い、その直後J-GAP USA team が集まり、インタビューの内容を分析、文書化するということで、活動の骨格を決めました。
上記4回の会議の議事録はJ-GAP USA のために立ち上げたバーチャルスペース (https://collab.itc.virginia.edu/) に保管しています。


【報告事項 2】
2013年1月19日に、以下の通り第3回J-GAPワークショップを行いました。
1.19.2013 J-GAP Workshop
Date/time: Saturday, January 19, 2013, 10:00 am - 3:00 pmVenue: George Mason University, 4400 University Drive, Fairfax, VA 22030; Johnson Center Lower Level Gold RoomLanguage: Both English and Japanese will be used flexibly.
What is this workshop about? By having the participants work on practical applications of Japan Foundation Standards and Minna no Can-do Site, and also by having them discuss in small groups various aspects of Japanese program articulation, the workshop aims to work toward the ultimate goal of J-GAP USA, that is, making the Virginia/Mid-Atlantic region a model site of improved program articulation in Japanese language education.

Program:
10:00 - 10:45 -- J-GAP overview

10:45 - 1:45 -- PART I: Practical considerations of JF Standards and みんなのCan-doサイト


「みんなのCan-doサイト」にあるCan-do statementsを念頭においた教室活動例を参加者の方々に考えてもらい、小グループで行うタスクのディスカッションの時間を多く持てるようにし、タスクの完結よりも対話による達成感を体験してもらうことを目的にしました。具体的達成目標は以下の通り。
  1. Can-do statementsの実際の使用例を想定し、「産出」(話し言葉)と「やりとり」(話し言葉)の違いを学習者の具体的な言語行動として認識できる
  2. 既存のCan-do statementをMy Can Doに書き換えることができる
  3. 一つのCan-do Statement をとっても、教師の学生に対する期待度の違いなどにより、ステートメントの言葉の解釈のしかたがプログラム間/個人によって異なることを理解する
  4. 上記3の解釈のギャップを認識、或いは、埋めていくためには、教師としての自分のゴールが何であるかを把握し、それを言葉で人に伝えることが不可欠であること(対話)を体験する
1:55 - 3:00 -- PART II: Semi-structured small-group discussion
こ こでは、日本語教育プログラム間、教師間のよりよい連携を築くために何ができるのか、何が課題なのかなどについて自由に話し合っていただきました。5つの グループに分かれ、各グループの進行役が以下 focus group interview の "questioning route" と言われる手順に従って、また進行役はJ-GAP第3年目事業に向けての準備として問題点などを意識しながら臨みました。

Opening Question (1:55 – 2:05)
簡単な自己紹介(1人1分弱) 「1分間弱で自己紹介をお願いします。まずは、お名前を言っていただきます。その後どこで日本語を教えているか、そして最後に日本語を教えていないときに一番楽しんですることは何かを話してください。」

Introductory Question (2:05 – 2:15)
今日のワークショップでは「JFスタンダードの木」「みんなのCan-doサイト」を紹介し、その使い方について考えていただいたわけですが、「JFスタンダードの木」「みんなのCan-doサイト」はご自分のティーチングに活用できると思いますか、使えると思う場合はどのような点が活用できるでしょうか。

Transition Question (2:15 – 2:25)
次 に「アーティキュレーション」について話していただきます。「アーティキュレーション」とは「繋がり合う」と言う意味があるわけですが、プログラム間/教 師間のアーティキュレーションを考えた場合、どんなことが必要だと思いますか。縦横どちらのアーティキュレーションでも構いません。

Key Questions (2:25 – 2:45)
  1. プログラム間、また教師間のアーティキュレーションを起こしたり、進展させる場合に、「みんなのCan-do statements」が共通言語となり得るでしょうか。
  2. 他校の日本語プログラムについて、どんなことが知りたいですか。
  3. プログラム間、また教師間のアーティキュレーション事業に関わることで、日本語教師としての自分にどんなメリットがあると思いますか。
Ending Questions (2:45 – 2:55)
  1. 「JFスタンダードの木」「みんなのCan-doサイト」の作成者への質問、コメント、サジェスチョンなどがあれば、何でも言ってください。
  2. J-GAPのプロジェクトでは、その一つの課題として、日本語プログラム間のアーティキュレーションを行っていく際に「JFスタンダードの木」「みんなのCan-doサイト」を共通言語として使えるかどうかを模索しています。みなさんはどう思いますか。

J-GAP USA 3rd Workshop 01-19-13.png

================参加者: 30名 (大学教員が16名、小中高教員が13名、その他が2名)。バージニア州からの出席者が19名、ワシントンDCが1名、メリーランド州が7名、ペンシルバニア州が2名、ニュージャージー州が2名。13名は新顔 (これまでJ-GAPへの関わりなし)。
参加者によるワークショップの評価はhttp://www.surveymonkey.com/s/WKX5XGVで行われ、回答者数は21 (回答者率70%) の回答は以下の通り。
1. How would you rate the pace of the workshop?
  • ちょうどよかった = 18名
  • 早過ぎた = 3名
2. Was the workshop above or below your current skill or knowledge level?
  • ちょうどよかった = 15名
  • above = 4名
  • below = 1名
3. How would you rate the usefulness of Part I of the workshop (practical considerations of JF Standards and みんなのCan-doサイト)? Rate on a scale of 1 to 5 with 1 being the lowest and 5 being the highest.
最高の5を選んだ回答者が7名、4が8名、3、2はそれぞれ3名、以下が代表的なコメント。
  • ディスカッションがたくさんあって良し
  • 問題を一つに絞って、さまざまな方向から考えられたことは、とても貴重な時間でした。その中で感じたことはJFスタンダードはこれからもっと、色々な方の経験を活かしながら、より活用効果のあるものへと発展する可能性があるということ。
  • 「みんなのCan-Do」は使いこなす事が出来れば凄く役立つToolになりえると思うのですが、実際に教壇に立つ側の様々な理由で、なかなか便利なサイトというところには至っていない現状であるかと思います。
  • A2を 目安にはしていましたが、どんな会話ができるかは、小中高大学、それに教員のアプローチでも違っただろうから、同じテーブルだけでなく、もっと大勢のサン プルを参考にしたかったです。できるだけ日本語だけで教える人のアプローチと、英語で文法の専門用語を混ぜる人のアプローチを、話し合っても良かったかなと。
  • I wish we had more time to discuss the details in order to utilize the can-do site for our daily classroom instruction.
  • 役に立ったと思います。作業に入る前にもう少し、作業の意図、目的が説明されていればもっと効果的かと思いました。
  • Can- doそのものに関する基本的な情報があまり伝わって来ませんでした。
  • Honestly I don't like Can-do site.
4. How would you rate the usefulness of Part II of the workshop (semi-structured small-group discussion)? Rate on a scale of 1 to 5 with 1 being the lowest and 5 being the highest.
最高の5を選んだ回答者が12名、4が5名、3が2名、2、1はそれぞれ1名。以下が代表的なコメント。
  • 各グループのレベル(小中高大)が重ならないよう配慮されていたため、色々な考え方が共有できました。
  • 高校の先生の現状をお話いただけたのは勉強になりました。
  • 大学で教えておられるクラスの環境と、高校での環境の差は必ずあると思います。その差を埋めようとするのではなく、各学校が焦点を当てている課題を知り、大 学の先生方も、高校の先生方も双方のバックグラウンドを知っておきましょう。という歩み寄りの雰囲気をとても感じました。
  • I found it very informative, especially when my group consisted of a college teacher/department head, a high school teacher and an more independent/adult educations teacher.
  • 話あいのテーマ自体が、大変難しかったと思います。Articulationという個人の力ではどうする事も出来ないものに対して何が出来るかというのは、「山にいて山を見ず」と大変似ていて、的確に自分達のおかれている立場を把握して、どの様な方向に進んでいけば成功につながるのかを常に考えなければならないのだと思いました。
  • I wanted to hear more successful examples of lesson plans in a large group after the end of small group discussion.
  • Can-doと コラボの活用推進が今回のテーマだったと思います。でも、やはり中高大学間のアーティキュレーションのためにはどんなことが必要かをもっとじっくり話し 合って、それを達成させるのに、この二つをどう活用できるか(または問題点、改善の提案)という順のほうが、アイデアがでやすくなると思います。
5. What did you like best or find most useful about the workshop?
  • can-doの評価基準への疑問提起に始まりそれに手を加え改善するというプロセスが、とてもわかりやすいステップを追っていっていたので、自分で同じことを行おうとした時に確実に再現できるよう導かれた点。
  • 耳にはしていたけれども実際にあけてみたことはなかったcandoサイトについての知識を得られたことはとてもよかった。今からこれをどのように活かしていけるかということを考えてみたいと思っています。
  • みなさんとのディスカッションを通じて、普段、教室で一人で対応している時に、陥る「疑問」や「問題」について共有できたことは、とても参考になりました。
  • やはり他校の先生方とお会いして、直接話が出来ることは何にも変えがたい事だと思います。J-GAPで言われているように、草の根的な活動の一部ではあると思うのですが、それの積み重ねがミクロ、マクロ、両方で大きな実を結ぶのだろうと考えています。
6. Were your personal expectations for the workshop met? If no, please describe those expectations that were not met.
  • JFスタンダードについて、ウェブサイトであらかじめ、読んでみました。その時に感じたのは、とても広範囲な説明が多岐に渡っており、1日で分るものなのか?とても心配でした。が、やはりよく理解されている方からの説明があることは、とても良く理解できる第一歩でした。また、読み直してみようと思います。Can-doを活用しながら、これからも沢山、質問させていただくと思います。
  • いつもJ-GAPでは新しい事を学ばせていただいています。今回はCan-Doをユニット毎のパフォーマンスの目標設定を作る時の参考に出来る事を学びました。そして、もっとコラボのサイトも頻繁にチェックして、使い始めたらいいと思いました。
  • About 90 percent yes. But I wanted to know examples of speaking and writing tasks using Can Do statements. And I wanted to hear teachers' experiences, using the Can-do site.
  • みんなのCan-doサイトを大学と高校間でどのように共有することができるのか、よく理解できませんでした。もっと深い話し合いが必要だと考えました。
  • Because of the volume of the information, we definitely need someone showing the use or strategy. Also the database needs to be reworked so users can pull information more effectively. Another request is to have cross-referenced information to the 21st Century Skills.
こ れらの回答を総合的に見ると、全体としてはポジティブな評価が得られたのではないかと思います。特に、このワークショップで対話の機会が与えられたことへ の評価が高かったように思います。また、JF スタンダード、Can-do への関心も高まったと言えるでしょう。ただ、Can-do の活用、そして、その問題点、またアーティキュレーションとの関係に関しては、今後勉強会、話し合いの機会を続けて設ける必要があると思われます。

[2] 今後の活動計画

2013年3月21日に行われる The American Association of Teachers of Japanese (AATJ) Spring Annual Conference、及び、2013年5月11-12 日のThe Princeton Japanese Pedagogy Forum (PJPF) でJ-GAP USAの活動を報告、また、両学会出席者の中から希望者を募って、それぞれの会場でJFスタンダード、及び、Can-doサイトのアーティキュレーションへの活用というテーマを中心にfocus group interview (FGI)を計画しています。
>>========== 2013.02.06 (S.So) ==========終

始========== 2012.11.26 (S.So) ==========>>【2012年10月~11月 活動報告】
J-GAP USA 事業の概略につきましては、このページの下のほうにある<2012.10.08 (S.So)>報告をご参照ください。ここでは、[1] 10、11月度の活動を報告、[2] 今後の活動計画を簡潔に述べます。

[1] 2012年10、11月度の活動

【報告事項 1】 チーム役員の定例、特例会議をスカイプで2回 (10/15, 11/3)、face-to-face で1回ACTFL(以下参照)が行われたフィラデルフィアで行いました(11/16)。スカイプミーティングは、主にACTFLでの発表の準備に関する話し合い、11月16日の差し向かいの会議では、今後の計画について密に話し合うことができました。時間は、各大体1~2時間程度。議事録はJ-GAP USA のために立ち上げたバーチャルスペース (https://collab.itc.virginia.edu/) に保管しています。

【報告事項 2】 11月16日に、アメリカ最大規模の外国語教師会 (American Council on the Teaching of Foreign Languages, 通称 ACTFL http://www.actfl.org/) の年次会で、以下の計画通り、小学校、高校、大学の日本語教師の協働でJ-GAPの活動を報告するセッションを持ちました。

Executing Japanese-Language Program Articulation Projects: How to Make Them Work

Scheduled Time: Fri, Nov 16 - 2:30pm - 3:30pm, Building/Room: Pennsylvania Convention Center / Room 109 A
2:30 – 2:45
J-GAP 概観 (So - 大学)

2:45 – 2:50
教師発信型プロジェクトの意図、内容について (Otani - 高校)

2:50 – 2:58
Otani (高校) による紹介のあと、Thakur (高校) / Vaughan (高校) / Otani (高校) による実態調査プロジェクトの報告

2:58 – 3:06
Kawai (大学) による紹介のあと、Marken (大学) / Kato (高校) プロジェクトの報告

3:06 – 3:15
ディスカッサント (Johnson - 大学) からのコメント。焦点は、セッションの副題にあるHow to Make Them Work

3:15 – 3:25
Sato (大学) を進行役として、Kinjo (高校) / Moorman (高校) / Shiga (高校)、Kitamura (大学)、Sakamaki (高校)、Worland (小学校) からの1分間スピーチ。ここでも、焦点はHow to Make Them Work

3:25 – 3:30
まとめ (Marshall - 大学 ⇒ So 大学) からのコメント。焦点は、セッションの副題にあるHow to Make Them Work

  • このセッションで使ったパワポ(スライド 45枚)は、添付資料をご参照ください。
  • 会場は60名近くの出席者でほとんど満席でした。セッションの後も、廊下などで出席者の方々に声を掛けていただき、大変好意的なご意見をもらいました。出席者の中にはユタ州ソールトレーク市教委の方もいらっしゃっていました。ご本人は日本語のバックグラウンドはなく、ソールトレーク市の日本語の先生方の手助けを何らかの形でしたいということで出席していらっしゃいました。
  • セッションの評価は正式なものは行いませんでしたが、直接、間接に非公式にいただいた感想を総合すると、全体としてACTFLでのJ-GAPのセッションは成功したという評価をしていいのではないかと思っています。




[2] 今後の活動計画

★ 2013-14年度は、全体活動計画のステップ3: 持続可能なアーティキュレーション(連携)構築プロセスの分析、考察を 行い、文書にまとめる活動が中心になりますが、そのための入念な準備を行うために、J-GAP USA 役員5人は、2012年12月15日に北バージニア (George Mason University) で集まり、半日使って討議を行います。

★ 2013年1月19日に北バージニア (George Mason University) で第3回 J-GAP ワークショップを行います。このワークショップでは、これまで1年間掛けて行ってきたアーティキュレーションプロジェクトを振り返り、参加者一人ひとりが アーティキュレーションに対する理解を更に深めること、また、役員を含めた全員がお互いのアーティキュレーションに対する考え方を認め合い、JFスタン ダード、みんなのCan-doサイトを根に置いた、前進のための活路を更に大きく開いていくことを目的とします。

★ 2013年3月21日に行われる The American Association of Teachers of Japanese (AATJ) Spring Annual Conference、2013年5月11-12 日のThe Princeton Japanese Pedagogy Forum (PJPF) でJ-GAP USAの活動を報告する予定です。

>>========== 2012.11.26 (S.So) ==========終


始========== 2012.10.08 (S.So) ==========>>

【2012年4月~10月上旬 活動報告】

2012-13年度上半期は、上にある全体活動計画のステップ2 (J-GAP 2012-13年度事業) を中心に展開、このページの下のほうにある表にある今年度の具体的活動計画は、J-GAP USA チーム役員5名 (So, Kawai, Marshall, Sato, Otani) を中心に予定通り進めてこられました。その進展と同時に、私たちのJ-GAP事業への関わり方の構想も明確化し、全体活動計画のステップ3 (J-GAP 2013-14年度事業)の方法、方針を具体化させることができました。

2012-13年度下半期は、ステップ2の事業を続行しながら、ステップ3の準備を行っていくことになります。

ここでは、まず[1] J-GAP USA事業の概略を述べ、[2] 今年度上半期の活動を報告、そして、[3] 下半期の活動計画を簡潔に述べたいと思います。

[1] J-GAP USA事業の概略
J-GAP USA が行っている活動の中心は、5つの活動方針にもあるように現場主義に徹するということで、現場の教師による、教師発信型のアーティキュレーションプロジェクトです。以下、その代表的なものを9つ挙げます。役員の5人が各2~3のプロジェクトの連絡係になって、情報把握を緻密に行っています。
  • プロジェクト1: 同じ地域の大学教員3名、短大教員1名、高校教師2名が定期的に集まり、各自が持ち合う課題について討論。ある課題に焦点を当てながら、レベルの違う教育現場をお互いが理解し合い、助け合う。
  • プロジェクト2: 同じ学区の中学、高校の先生が集まって、横のカリキュラムアーティキュレーションを目指す。
  • プロジェクト3: 高校生と大学生両方が関わる、授業の一環としてのプロジェクトや、課外活動としてのイベントを実施し、関わっている高校教師、大学教員は、このような協働プロジェクトを通して、それぞれのカリキュラムを再考する。そこから得られた知識、知恵を反映させた改善後の授業風景をビデオに撮り、それを資料として、教え方、教える内容改善への可能性を考察する。
  • プロジェクト4: 高校、大学で使える教材作成
  • プロジェクト5: 小学生と高校生の交流事業を通じて、カリキュラムのアーティキュレーションを図る。
  • プロジェクト6: 異なる高校の教師が集まり、Can-do statements を使い、それぞれのカリキュラムで扱われる performance goals を明示化する。
  • プロジェクト 7: 異なる大学の教員間で、オーラルタスクの評価基準について討議、例えば、5点評価の「4点」の日本語力が何を意味するのかなどについて徹底的に話し合う。
  • プロジェクト8: 質問紙調査、授業参観、面談を通して、高校、大学レベルのカリキュラムの実態把握
  • プロジェクト9: Can-do statements の積極的な使用を通して、ある大学のプログラム内のアーティキュレーションを目指す。

縦のアーティキュレーションを目指すプロジェクト: 1, 3, 4, 5, 8, 9
横のアーティキュレーションを目指すプロジェクト: 2, 6, 7

JF スタンダードの木の全面的活用を目指すコンセプト: 2, 3, 5, 8
Can-do statements の活用を中心としたコンセプト: 1, 4, 6, 7, 9


[2] 今年度上半期の活動
【報告事項 1】 チーム役員5名の定例、特例会議を合計10回行いました (4/27, 5/25, 6/22, 8/1, 8/13, 8/24, 9/5, 9/14, 9/28, 10/6)。8月24日と10月6日の会議以外は、すべてスカイプで行い、それぞれ大体1~2時間程度。主要内容は、バージニア州、メリーランド州の各地で行われている、教師発信型プロジェクトの進捗状況の報告とそれぞれのプロジェクトをJF スタンダード、或いは、みんなのCan-do サイトの観点から検討することです。その記録はJ-GAP USA のために立ち上げたバーチャルスペース (https://collab.itc.virginia.edu/) に保管しています。


【報告事項 2】 J-GAP、J-GAP USAを広く紹介するためのパンフレットを作成しました。これは、ICJLE 2012 @Nagoya でも配布しましたが、J-GAP USA の5つの活動方針のうち「日本語教育界と産官民との連携推進」のための活動などにも役立っています。


【報告事項 3】 8月25日には、2012年1月28日に続く、J-GAP USA 第二回ワークショップを下記の通り開催しました。
第二回J-GAP USA ワークショップ@バージニア大学
8:30 – 9:30
J-GAP 紹介 (ICJLE 2012 GNシンポ報告含む)

9:30 – 10:50
教師発信型プロジェクトの代表者がそれぞれのプロジェクトを紹介 (誰が何を何のためにどう行っているか、及び、課題と今後の計画について)

11:00 – 12:15
小グループで異なるテーマについてディスカッション: グループ1 「評価」、グループ2 「縦の連携」、グループ3 「連携を起こす、持続させるストラテジー」、グループ4 「教授法、教授内容」

1:00 – 2:40
上記、各小グループから全体への報告、及び、ディスカッション

2:50 – 4:00
今後の予定、J-GAP USA 事業に対する相互理解の確認

合計24名の日本語教師が参加 (高校14名、大学9名、見学者 1名)で、ディスカッションの写真は以下の添付ファイルで見られます。


ワークショップ参加者を対象にしたサーベイ(オンラインでワークショップ直後に実施、回答率100%) の結果は以下の通りで、ワークショップが成功裏に終ったことを物語ります。
  • 89%の参加者が「非常に役立った」「役立った」「まあまあ役立った」と回答。最多の回答は「非常に役立った」。「Articulation=足並みを揃えるという概念が明確にされたこと」、「全世界での日本語教育、もしくは世界の中での外国語教育がどうなっているのか、どのような活動がなされているのか等、最新の情報を得られた事」、「お互いの現状、課題、情報交換ができたこと」、「他のみなさんもそれぞれ同じような悩みとゴールを持っていらっしゃることがわかったこと」、「今後一緒に同じ方向に向かって行けるとわかったこと」など、役立った内容がいろいろ書かれていました。
  • 89%の参加者が「ちょうどいいペースだった」と回答
  • 95%の参加者が「知識、スキルレベルがちょうどよかった」と回答
  • この活動の輪を広げていきたい、続けていきたいとのコメントも数多くありました。


【報告事項 4】 10月5、6日には、創立101年になるバージニア州外国語教師会 (The Foreign Language Association of Virginia; 通称 FLAVA) の年次会 (http://www.flavaweb.org/flava_conference_2012.php) で、以下の通り、J-GAPの紹介、報告をしました。また一同に会するこの機会を使って、J-GAP事業を参加者みんなで振り返り、意見交換をしました。5名の役員は今後の活動計画についての会議も行いました。

10月5日のセッションは、「J-GAP: A multi-country articulation project for coherent connections in Japanese language education: Work in progress in the mid-Atlantic region」という題目で30名程度の聴衆を相手に、まずJ-GAP USA 役員の So、Otani がその活動の概要を伝え、教師発信型プロジェクト参加者を代表して中学教師1名、高校教師2名が話しました。この中高の先生方には、J-GAP USA の5つの活動方針について自分たちが関わっているプロジェクトを通して具体的に話してもらいました。

10月6日のセッションは、「Japanese program articulation projects in action」という題目で40名近くの聴衆を相手に、J-GAP USA 役員の Marshall、Kawai、Sato を中心に進め、教師発信型プロジェクト参加者を代表して高校、短大、大学の教師 4名が話しました。この4名の教師は、それぞれが関わっている二つのプロジェクト(「J-GAP 4大学間プロジェクト」と「高校、短大、大学教師たちの勉強会」)の内容、進捗状況、今後の計画について報告しました。特に、前者のプロジェクトでは、「時間をかけ、より具体的に説明を重ね、共通の理解ができるように基準項目を Can Do Statements の形にした」ことをこれまでの成果とし、後者の発表では、勉強会の成果として、「悩みを相談する」というタスクで使う、Can-do statements を使ったルーブリックを紹介、また、「JF スタンダードとみんなのCan-doサイトをより積極的に取り入れながら勉強会を継続する」ことが今後の計画であるとの報告がなされました。

同セッションでは、この二つのプロジェクトの発表の後、聴衆の先生方全員に小グループでディスカッションをしてもらいました。そのディスカッションでは、同じグループになった先生方と何かアーティキュレーションのプロジェクトをするとすればどんなプロジェク トが始められるか、また具体的に何から始められるかについて話してもらいました。このような話し合いを通じて、アーティキュ レーションという事業の多様性と柔軟性、また、お互いの共通の関心事は身近にあり、それをアーティキュレーションというプロジェクトの形にすることはそれほど難しいことではないということに気付いていただいたのではないかと思います。(2012.10.18 加筆)


10月6日の学会のセッションの合間を使って、教師発信型プロジェクトの一年後の姿について、また、J-GAP USA の5つの活動方針について話してもらいました(その様子の写真は以下の添付ファイル)。20名以上の先生方が集まり、事前に課題が与えられていなかったにもかかわらず、すぐに返答が出てきました。それは、それぞれのプロジェクトへの先生方のコミットメントの表れだと思います。5つの活動方針に関しては、例えば、「J-GAPを知ることにより、実は自分たちが前々からやっていたことは【連携】だったのだと気づいた」、「自分たちが考えて動いているということに意味がある」のようなコメントが出されました。



[3] 今年度下半期の活動計画
一つには、全体活動計画のステップ2 (J-GAP 2012-13年度事業) の事業を続行し、適当な教師会、学会で報告の機会を作っていきます。全米外国語教師会(The American Council on the Teaching of Foreign Languages; 通称 ACTFL)の年次会で11月16日に発表することは決定しています。その席では、J-GAPの概要を話し、教師発信型プロジェクトをいくつか紹介、そして、それを通してアーティキュレーションについて具体的に討議し、次年度に予定しているリサーチの構想を発表することにしています。

2013年2月2日に第3回J-GAP ワークショップを行います。このワークショップでは、これまで1年間掛けて行ってきたアーティキュレーションプロジェクトを振り返り、参加者一人ひとりがアーティキュレーションに対する理解を更に深めること、また、役員を含めた全員がお互いのアーティキュレーションに対する考え方を認め合い、JFスタンダード、みんなのCan-doサイトを根に置いた、前進のための活路を更に大きく開いていくことを目的とします。

2013-14年度は、全体活動計画のステップ3: 持続可能なアーティキュレーション(連携)構築プロセスの分析、考察を行い、文書にまとめる活動が中心になります。つまり、リサーチ活動への転換です。このリサーチは質的研究方法を使って行います。教師発信型プロジェクトが行われている現場を complex dynamic system とみなします。複雑な現象の中にも、系統だった傾向性が見られる部分はあるとの前提のもとに、その傾向性の予測が立てられるような有意義な情報を収集する活動を focus group study の方法論を使って進めて行きます。2013年4月以降その研究活動が即刻開始できるように、2012-13年度下半期はJ-GAP USA 役員5人でその方法論の勉強をし、予備テストなども行っていきます。

>>========== 2012.10.08 (S.So) ==========終



【2012-13年度活動計画】

年月日
活動内容
20124月~20133
月例会議開催 (12)
  • [準備]月例会議での報告のために、それまでの1ヶ月間に個々のプロジェクトがそれぞれの設定目標に従って具体的な活動を実施する
  • J-GAP米国チームメンバーが13の個々のプロジェクトを実施中の教師と会合を持ち、進捗状況を把握、JFスタンダード、Can-doサイトの視点から進捗状況を考察、プロジェクトの次の段階の計画確認、UVaCollabに記録
  • J-GAP米国チーム内で個々のプロジェクトに関する協議会
201247
ワシントン商工会基金主催 「Symposium on Global Opportunities through Japanese Language」 のパネルに参加、J-GAP事業報告
20126& 20132
パンフレット作成
  • J-GAP米国の活動紹介
  • 学会、教師会等で配布。6月作成分は同年秋の学会等で配布。2月に最新情報を含むパンフレットを作成、それ以後の学会等で配布
20128月上旬
プロジェクトの成果、効果を測るためにプロジェクト実施者、関係者にアンケート調査実施
2012825
バージニア州Charlottesvilleでワークショップ開催
  • 前述の13の個々のプロジェクトを実施中の教師(20名程)が集い、各地域で実施中のプロジェクトの進捗報告、今後の計画について話し合う
  • それぞれのプロジェクトをJFスタンダード、Can-doサイトの視点から考察
  • UVaCollabに記録
2012105-6
Foreign Language Association of Virginia (FLAVA) (バージニア州 Williamsburgにて開催)の年次会に出席
  • 前述の13の個々のプロジェクトから3点を発表
  • 関係者会議
20121116-18
American Council on the Teaching of Foreign Languages (ACTFL) (ペンシルバニア州Philadelphia)の年次会に出席
  • 前述の13の個々のプロジェクトから3点を発表
  • 関係者会議
20131月上旬
プロジェクトの成果、効果を測るためにプロジェクト実施者、関係者にアンケート調査実施
20131
バージニア州Fairfaxでワークショップ開催
  • アーティキュレーションについて招聘講座
  • 前述の13の個々のプロジェクトを実施中の教師(20名程)が集い、各地域で実施中のプロジェクトの進捗報告、今後の計画について話し合う
  • それぞれのプロジェクトをJFスタンダード、Can-doサイトの視点から考察
  • UVaCollabに記録
2013321
The American Association of Teachers of Japanese (AATJ) (カリフォルニア州San Diego)の春季大会出席
  • 前述の13の個々のプロジェクトから3点を発表
  • 関係者会議


【2012-13年度活動報告】

  • 2012年1月28日に行われたワークショップで、教師が協働で作り上げた13の具体的なプロジェクトのうち7つのプロジェクトが計画的に活動を進めている。
  • 2012年4月7日のシンポジウム(http://www.jcawf.org/japanese/program/cherry_blossom_centennial/education/symposium/)は、高校生、大学生、大学院生、教員、企業、政府関係者等400名近い参加者を迎え大成功裏に終わった。J-GAP USAチームを代表して S.So と K.Otani が各々モデレータ、パネリストとして「Panel 1 What’s next?: Career possibilities for Japanese language learners」というパネルを行い、日本語教育界と産官民との連携推進 の活動を一歩進めることができた。



【2011-12年度活動報告】
日本語教育グローバルネットワークの事業の一環としてのJ-GAPの目的である「日本語教育のアーティキュレーションを達成するための支援システムの開発」、また、「それに基づくアーティキュレーションの確立」を目指して、アメリカのモデル地区として選ばれたバージニア州、及び、その周辺地域では、事業の一年目(2011.4~2012.3) は以下の2点に焦点を当てて活動を行った。
  1. これまでに外国語教育で行われてきたアーティキュレーション達成のための様々なプロジェクトの経験を考察し、J-GAP USAで行うアーティキュレーション活動の方針と効果的な戦略の打ち立て、及び、その実践
  2. アーティキュレーション活動への国際交流基金のJFスタンダード、及び、みんなのCan-Doサイトの活用の考察

上記の活動指針に則り、1年目は活動計画にあるステップ1と2の活動を実施することができ、また、2年目(2012.4~2013.3)の活動の中心となるステップ2の活動の素地固めもできた。因みに、ステップ3は3年目(2013.4~2014.3)の活動の焦点となる。

具体的な成果としては、以下の4点である。
  • 地域の日本語教師の縦と横のつながりができてきた
  • 日本語教師が自分のいる立場でアーティキュレーションの活動を開始した
  • 日本語教育の実態を産官の代表者に伝えることができた
  • プログラムアーティキュレーション、JF スタンダード、みんなのCan-doサイトに関する理解が日本語教師の間に広まった

この1年目の成果から、今後、アーティキュレーションアドボカシーエンパワーメントの三つの概念が融合し、日本語教育全般へ相乗効果をもたらす可能性が予測される。


日付
活動内容
場所 Site
2011.3.12
(a) J-GAP USAチーム内でのコミュニケーション、活動記録ツールとしてデータマネージメントサイトを立ち上げる
https://collab.itc.virginia.edu/(J-GAP Virginia Team)
2011.4.2
(b) J-GAP 統括責任者Y. Tohsaku J-GAP USA 事業責任者のS.So が事業の詳細について会談
ハワイ (2011 ATJ Annual Conference)
2011.42012.3
(c) J-GAP USAチームの代表者5名、及び、関係者による会議
Skype (4/15, 9/14, 11/4, 12/15, 1/19, 2/6, 3/24), George Mason University (8/12), Richmond/FLAVA Conference (10/7), Toronto/AAS Annual Conference (3/16)
2011.58
(d) 日本語教師同士のつながり作り、連携推進の準備活動としてバージニア各地で日本語教師対象の懇談会開催
Charlottesville (5/19), Alexandria (6/17), Fairfax (6/19), Virginia Beach (6/22), Charlottesville (6/24), Charlottesville (8/13), Williamsburg (8/18)
2011.6.13
(e) J-GAP USAの上記懇談会参加者のための情報交換の場としてサイトを立ち上げる
https://collab.itc.virginia.edu/(J-GAP USA community)
2011.9.30
(f) 日本語教育界と産官民との連携推進を目指して行われた、ワシントン日本商工会主催の講演会でJ-GAP USAチームを代表してS.Soが講演
Washington, D.C.
2011.10.8
(g) 押尾和美氏(国際交流基金日本語国際センター)を講師に迎え、JF スタンダードとみんなのCan-doサイトに関するワークショップ開催
Richmond/The Foreign Language Association of Virginia (FLAVA) Annual Conference
2011.11.28
(h) 1月のワークショップの準備としてのサーベイ実施
http://www.surveymonkey.com/s/6FPC9WX

2012.1.28
(i) J-GAP 統括責任者Y. Tohsakuを交えて、連携推進活動の具体化を目指すワークショップ開催
George Mason University
2012.1.28
(j) 上記ワークショップに関するフィードバック調査
http://www.surveymonkey.com/s/B2DGF9R
2012.2.9
(k) J-GAP USAの事業の一環として推進活動に関わっていく教師のためのマネージメントサイトを立ち上げる
https://collab.itc.virginia.edu/(J-GAPprojects2012-13)
2012.3.17
(l) AAS 年次会でAATJ後援のラウンドテーブルを行い、J-GAPを紹介し、討議
Toronto/ Association for Asian Studies (AAS) Annual Conference